確かに、現在の豊洲市場問題や五輪施設問題における小池氏の立ち居振る舞いを見れば、“新しい政治を切り拓いてくれる”という期待値も高いだろう。ただ、このまま安倍内閣が長期政権化した場合は、いわゆる“安倍チルドレン”への禅譲による首相交代というのが現実的と言えるかもしれない。

 そうなったとき、日本初の女性総理に最も近いのが稲田朋美防衛相(57)だろう。「稲田氏は05年9月の衆院選、いわゆる郵政選挙で初当選しましたが、弁護士だった稲田氏を政界にスカウトしたのは他ならぬ安倍さん。当時、自民党幹事長代理だった安倍さんの推薦を受けて、小泉純一郎首相は彼女を郵政造反組への刺客として福井1区に送り込んだのです」(前出の記者)

 安倍氏は、弁護士時代の稲田氏が、いわゆる“南京大虐殺”の日本兵による“百人斬り競争”を否定する論陣を張っていたことに感銘を受けて、彼女を推薦したといわれる。以来、安倍首相の“秘蔵っ子”として、稲田氏はトントン拍子に出世してきた。「12年、第2次安倍内閣で初入閣すると、14年には自民党政調会長、今年8月の内閣改造では防衛大臣に就任。当選4回の議員としては異例の出世と言えますね」(民放ディレクター)

 だが、防衛相になってからの稲田氏は、毎年欠かさず行ってきた終戦記念日の靖国神社参拝を今年は見送っただけでなく、同じ8月15日に行われた全国戦没者追悼式も欠席した。歴代の防衛相、防衛庁長官が戦没者追悼式を欠席するのは史上初。しかも、「その点を国会で民進党の辻元清美衆院議員に突っ込まれ、思わず涙ぐむ場面もありました」(前同)

 国会の論戦で涙を見せるという大失態によって、稲田氏に対する評価は急落。さらに、弁護士である稲田氏の夫が防衛関連企業の株を大量に取得していることも問題視されている。

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