女子アナ時代、テレ朝幹部とのゴルフコンペの常連だった彼女にとって、オヤジ転がしはお手のものだろう。しかし、「男女を問わず、自民党議員が首相を目指すためには2つの条件があります。一つは衆議院議員であること。もう一つは大派閥に所属していることです」(同)

 まずは衆議院に鞍替え当選を果たして、安倍首相の下でさらなる経験を積む必要がありそうだ。まだ先は長いが、ひょっとすると“次の次”ぐらいなら……!?

 ここまでの稲田、高市、丸川の3氏は、あくまでも安倍政権が長期化した前提での規定路線の話だ。安倍政権に逆風が吹き荒れ、支持率が急落するようなことがあれば“アンチ安倍”および“反主流派”にもチャンスが生まれる。

 その筆頭と言えるのが、野田聖子元郵政相(56)。93年の衆院選で初当選し、その後、当選8回というのは、安倍首相とまったく同じ。「98年、小渕恵三内閣時に37歳7か月の若さで郵政相に抜擢されたのを皮切りに、福田康夫内閣、麻生太郎内閣でも閣僚入りしました。また12年には、第2次安倍政権で自民党総務会長を務めるなど、政治家としての実績も十分です」(前出の政治部記者)

 05年の衆院選では郵政民営化に反対したため、選挙区に刺客を送られ、当選後も自民党離党を余儀なくされるなど、冷や飯を食わされた経験も。“自民党のマドンナ”“聖子ちゃん”ともてはやされた若い頃に比べると、酸いも甘いもかみ分けてきている。

「彼女の強みは敵が少ないこと。永田町は男の嫉妬が渦巻く世界で、陽の当たる場所ばかり歩いてきたような女性議員を支持する殊勝な男性議員などいるわけがない。その点、彼女はサバサバした男勝りの性格もあって、中堅・若手の男性議員からも慕われています」と言うのは政治評論家の小林吉弥氏。

「彼女は現在無派閥ですが、政治的にはリベラルに近い宏池会出身で、右派とも左派とも忌憚なく話ができる。また、酒豪の野田氏は居酒屋で若手議員たちと談論風発することも珍しくない。仮に自民がにっちもさっちも行かなくなり、女性総裁でも担ごうかとなった際、彼女ならと考える人間は少なくないと思いますよ」

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