まずは就任前から話題になっていた軍事・防衛問題。すでにトランプ大統領は、“日米同盟堅持”の姿勢を示している。そうなると、残る問題は在日米軍の駐留経費だ。就任前から、日本へ駐留経費の全額負担を求めると公言していたからだ。「ところが、日本は年間ベースで駐留経費全体の約75%にあたる約5800億円(2016年度)を負担しています。これは、米軍が駐留する国の中ではトップの金額です」(前出の国際部記者)

 そのうえ、トランプ政権から残りの25%も負担するように求められたら、「野党や国民の理解を得られるのは難しく、下手をすると、政局絡みの動きになりかねない」(前出の官邸筋)

 その一方で、こんな声もある。「トランプ氏は決して知日家ではありません。すでに日本が7割以上の駐留経費を負担している事実を知らず、大統領選のプロパガンダに基地問題を利用していたに過ぎないという見方もあります」(国際部記者)

 トランプは日本のことをまるで知らない。“キーマン”のあえば氏はこう言う。「誰もが知るIT企業の社長が去年の12月、ニューヨークのトランプ・タワーでトランプ氏と会談し、アメリカの新興企業などに総額500億ドルを投資することなどを約束しました。ところが、実はトランプ氏は、その方がIT企業のトップという事実を知らなかったんです。社名に“バンク”とあることから、てっきり日本の銀行のトップだと勘違いしていたようです。かように、確かにトランプ氏が日本のことをよく知らないのは事実です」

 どう転んでも、知日家とは思えない新大統領。さて、問題の駐留経費についてだが、「基地問題については(駐留経費を)きっちり負担してもらうという明確な意思を持っていますね」(前同)

 基地問題だけではない。トランプ新大統領は、日本に防衛上の大転換を迫る恐れまであるという。あえば氏が、こう続ける。「まだ公式な発言はしていませんが、北朝鮮の核武装に対して、日本独自に対抗してほしいというのがトランプ氏の本音なんです」

 ニッポンが核武装!? しかし、事実、昨年の暮れ、トランプ政権移行チームのメンバーが来日し、東京・目黒でシンポジウムが開かれた折のこと――。

「その席上、参加者から日本の核武装について政権移行チームのメンバーに質問が出ました。“白紙の状態”というのがメンバーの答えでした。白紙ということは、否定しないということ。つまり、日本の核武装を容認するとも取れる発言で、会場からどよめきが起きていました」(前同)

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