「都民ファーストの推薦公認候補者は、現状、5つの会派にまたがっていますが、これが選挙後に政策協力できれば、小池都政が本格化するでしょうね」(前同)

 まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの小池新党。ただ、これをなんとか切り崩そうとしているのが政府・自民党だ。「都知事就任以降、自民党都議の内田茂さんを“都議会のドン”、都議会自民党を抵抗勢力に仕立て、小池劇場を展開してきた小池さんですが、ここにきて新味が薄れ、陰りが見え始めているのも事実です」(同)

 これを受けて、自民党も反撃に転じている。「13日に開かれた自民党都連の決起集会では、60人の都議選候補者を前に、安倍晋三総理が“急に誕生した政党に都政を支える力はない!”と、ビデオメッセージで檄を飛ばしました。安倍総理の盟友、下村博文都連会長も、“新たな流れができつつある”と気炎を上げています」(前出の記者)

 小池知事の失速を象徴するのが、都の五輪費用負担を巡るバトルが事実上の決着を見たことだ。「小池知事は当初、“東京都が2020年の東京五輪の都外競技会場の仮設整備費を負担するのは不可能”とたんかを切っていたが、結局、都が全額負担することをのんだ。威勢がいいのは最初だけ。そろそろ、馬脚を現してきたんじゃないか」(自民党都議)

 とはいえ、「いまだ世論は小池応援団が多いので、都議選では一定の勝利を収めるはず」(前同)とされ、“本当の山場”は都議選後にやってくるというのだ。「過半数を得て足場が固まった7月下旬に、小池さんは政治生命を賭けた“決断”を下さなければなりません」(都議会関係者)

 決断とはもちろん、豊洲新市場移転問題に決着をつけることだ。「小池さんは、賛否が分かれる新市場問題をずっと先送りにし続けています。当初は都議選のアジェンダ(議論テーマ)にしようとしていましたが、これも見送る模様です。小池さんの意を汲んだ都の市場問題プロジェクトチームは、築地市場を再整備して存続させ、豊洲市場の施設を解体し、跡地を民間業者に売却する案を出しています。ただ、豊洲を断念したうえに、赤字を出さずに築地を再整備するなんて絵空事に近い。議会でも、豊洲移転容認派が半数を超えてきていますからね」(前同)

 新市場を巡る決断は、小池知事の文字通りの正念場となるのだ。

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