「小池さんは、4年後の国政進出を目標にしています。最終ゴールは、総理大臣の椅子でしょう。ということは、かつての石原慎太郎元都知事と同じ野望を抱いているということ。都民ファーストもいわば“小池追っかけ部隊”ですから、彼女としては、どこかで尻尾切りして、自分はもっと上にステップアップしたいはずです。これまでの政治人生も、そうでしたからね」(前出の安積氏)

 女性総理の座を狙う都知事が、政治家人生を左右する決断を下す7月下旬、奇しくも北朝鮮情勢が緊張のピークを迎える。「現在、北朝鮮は田植えの時期なので、軍人もみんな田植えをしています。ただ6月25日の朝鮮戦争開戦記念日から7月27日の休戦記念日までは、伝統的に北の“反米月間”なんです。この時期に何か事を起こす可能性は高いと言えます」(『コリア・レポート』編集長の辺真一氏)

 7月27日は、「祖国解放戦争勝利記念日」と命名されており、北朝鮮が“米帝”を打ち破った偉大な日とされている。今年2月にマレーシアで異母兄の金正男氏が暗殺されて以降、緊張状態が続く北朝鮮情勢。特に、米朝間は一触即発の状態が続き、アメリカのトランプ大統領は「武力行使も辞さない」ことを表明している。

「トランプ政権が軍事行動に踏み切るのは、北朝鮮が核実験と米本土に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)の発射実験を強行した場合と予測されています。現在は、武力衝突を回避するべく、中国が北朝鮮に圧力をかけている最中です。8、9日の両日には、米朝の高官がノルウェーで非公式の会談も行っています」(全国紙外信部記者)

 しかし、米朝会談直後の14日、北朝鮮は今年6度目となる弾道ミサイルの発射実験を強行、事態は再び緊迫の度を増している。「14日に発射されたのは、北朝鮮国内で『火星12号』と呼ばれる弾道ミサイルで、最大射程は4000キロ超と推測されています。最大射程3200キロとされるムスダン(火星10号)の技術を基に、改良発展させたものという分析もあります」(軍事記者の黒鉦英夫氏)

 射程4000キロといえば、米軍基地のあるグアム島を射程に収める。「火星12号は、弾頭重量と射出する角度を調整すれば、最大射程6000キロを超えるとする専門家もおり、その場合は米本土のアラスカ州の都市に到達します。ただ、北朝鮮はこれがICBMではないことを米側にアピールしたかったのか、ロフテッド軌道で発射実験を行いました」(前同)

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