安倍晋三政権VS霞が関官僚「ドス黒バトルの行方」の画像
安倍晋三政権VS霞が関官僚「ドス黒バトルの行方」の画像

 赤穂浪士よろしく時の権力者に堂々討ち入った男。スキャンダルの応酬の裏にはドス黒い思惑が交錯する!

 エリート官僚が、安倍政権に反旗を翻した。安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部新設を巡り、1月まで文部科学省事務次官を務めた前川喜平氏が、爆弾発言を繰り返している。「事の発端は、内閣府からの伝達事項を記した、文科省の内部文書。“官邸の最高レベルが言っている”“総理のご意向だと聞いている”といった圧力を感じさせる文言が並んでいました」(全国紙政治部記者)

 民進党がこの文書を入手し、『朝日新聞』が5月17日にこれを報じると、政権を揺るがす一大スキャンダルへと発展した。「菅官房長官は“怪文書”と突っぱね、幕引きを図ろうとしましたが、前川氏が5月25日に会見を開き、内部文書の存在を認めたことで状況は一変。さらに、5月30日には、昨年9月から10月に、和泉洋人首相補佐官と首相官邸で複数回、面会したことを告白。“総理は自分の口から言えないから、私が代わって言う”などと言われたと証言しました」(前同)

 もともと文科省は獣医学部の新設を認めない方針だったが、官邸はアベノミクスの一環で進める「国家戦略特区」での新設を求め、文科省と協議を進めていた。「官邸は、強固な“岩盤規制”に穴を開けると言っていますが、総理の“お友達”の学園に、便宜を図るようなもの。加計学園には37億円の土地が今治市から無償譲渡され、96億円の補助金が学園にわたる計画です」(野党関係者)

 安倍昭恵夫人が名誉校長に就いていた森友学園に、タダ同然で国有地が払い下げられたのと似た構図だ。「菅義偉官房長官は前川氏の辞任経緯について、“(文科省の天下りあっせん問題で)地位に恋々としがみついていたが、世論の批判にさらされ、最終的に辞任された”と“口撃”。正義感ではなく、政府への逆恨みが告発の動機だと示唆しました」(前出の政治部記者)

 だが、“前川の乱”に至った理由は、それだけではないようだ。政治評論家の有馬晴海氏がこう続ける。「民進党の関係者から聞いた話です。『読売新聞』に、前川氏が新宿歌舞伎町の出会い系バーに通っているという記事が出ると聞き、“こうなったらもう刺し違える覚悟だ”と言って、記者会見に臨んだというんです」

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5