「イチローVS大魔神」他、プロ野球交流戦“仮想対決”の結果は!?の画像
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 セ・リーグとパ・リーグのチームが互いに激戦をくり広げるプロ野球交流戦が、大盛り上がりのうちに幕を閉じた。交流戦が2005年に開始されてからは、セ・パの「エース対主砲」という対決を頻繁に目にすることができるようになったが、それ以前は日本シリーズでないと真剣勝負を見ることはできなかった。そこで今回、実現が叶わなかった夢の対決を厳選し、そのうえで徹底検証しよう!

■仮想対決(1)最強「V9軍団」vs鈴木啓示

 球界最後の300勝投手の近鉄バファローズのエース鈴木啓示(通算317勝)と、王貞治、長嶋茂雄を核とした巨人軍V9戦士が真剣勝負でぶつかることはなかった。巨人が強かった当時は、パ・リーグでは阪急の黄金期で、近鉄は日本シリーズに出場できなかったからだ。もし、この対戦が実現していたら、実に見応えのある戦いが繰り広げられていたに違いない。

 当時の近鉄に在籍していた評論家の伊勢孝夫氏が証言する。「啓示はもともとストレート一本だったけど、一度ケガして、それが治ってからコントロールが良くなった。特に右打者のアウトコースに少し逃げていくシュートとスライダーの出し入れがうまかった。そこを意識させて、インコースを突く投球術を見せていた」

 長嶋に対しては、当然、この攻めでいくものと思われる。王は、極端な王シフトを敷かれたときも流さずに、とにかく引っ張るバッティングを貫いていたので、アウトコース主体の攻めを貫いていくのではないかと伊勢氏は予測する。

 スポーツジャーナリストの手束仁氏は、鈴木は力勝負で完投を狙うとみる。「長嶋さんは泳いで三振しそう。王さんは1、2本は打つんじゃないかな」

 当時、王キラーとして知られていた野球解説者の江本孟紀氏は、たとえONに打たれたとしても、トータルでは鈴木に軍配が上がるのではないかと見る。「いくら、王さんや長嶋さんが打ったとしても、その他の選手が打てなければ話になりません。鈴木クラスのエースが本気で投げれば、そうそう打てるもんじゃない。いかに当時の巨人打線が凄かったといっても、鈴木の球は打てなかったんじゃないですかね」

 当時のパの強打者を相手に、コンスタントに20勝を稼いでいた鈴木の力を持ってすれば、ONに打たれても、鈴木が完投で巨人打線を抑えていたかもしれない。

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