■仮想対決(5)天才バットマンvs大魔神

 日米を股にかけて活躍した大魔神・佐々木主浩と、現在も活躍を続けるイチロー。日本にいた時代は横浜と、オリックスで、セ・パに別れていたが、メジャー同僚として2人ともシアトル・マリナーズに在籍していた。佐々木が引退して半年後、TV番組の企画でイチローのバッティング投手を務めるという一幕はあったものの、2人が真剣勝負で対決した場面は一度もなかった。

 伊勢氏の予測はこうだ。「パ・リーグのほうがレベルが高い。イチローがセにいたら、もしかしたら4割を記録していたかもしれないね。だから、佐々木でもイチローを抑えることはできなかったのではないか」

 一方、江本氏は佐々木が有利だと話す。「佐々木のフォークは140キロのスピードが出ます。これは、なかなか打てるものじゃない。いかに、イチローがミートのうまい選手でも、佐々木なら抑えることができたと思う」

 佐々木は守護神という役割ということで、1打席の対決に集中することができるという点での有利さがあるだろう。手束氏は、対戦のイメージをしながら、こう結論づけた。「イチローのバットが佐々木のフォークを引っ掛けて、三遊間に飛んで内野安打になる気がします」

 続けて、「バチッと捉えて、センター前に飛ばしたりするイメージが湧かないんです。飛んだコース次第で、アウトになったり内野安打になったりすると思う。だけど、シーズンを通しての対決となれば、イチローも佐々木をカモにできるほどは打てないでしょう」(手束氏)

 三者三様の答えが出たが、本誌としては三振も少ないが、フォークを捉えたクリーンヒットも少なかったという結論にしたい。

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