■双子妊娠時のマイナートラブル

 そもそも単胎妊娠の場合でも、つわりやむくみ、食欲過多や逆に食欲不振、そして毛深くなるなど、さまざまな体の変化やマイナートラブルが妊婦となった女性に降りかかるが、双子妊娠時は、単胎妊娠よりも少し気を配らなければならないマイナートラブルが増えてくる。その一つが、動悸や息切れだ。

 大きくなった子宮が横隔膜を押し上げ、肺を圧迫したりするために息切れしやすくなり、また、血液が増して心臓の負担が大きくなることで、動悸が起こりやすくなる。このようなときは、横になって休んだほうがいい。体の左側を下にして横になることで、心臓への負担が軽減され、楽になる。枕などを使い、上半身を少し上にあげた状態で横になるのもおススメだ。

 もう一つの代表的なマイナートラブルが「貧血」。双子を妊娠した場合、赤ちゃんへの栄養を2倍作らなければならなくなるため、単胎妊娠と比べて貧血を起こしやすいといわれる。また、先ほど述べた動悸・息切れは、貧血になることで生じることもある。貧血になると疲労感が増し、疲れやすくなってしまうため、普段よりも積極的に鉄分を含んだ食品を摂取するとよいだろう。ひじきやレバーのほか、小松菜も貧血予防になる。また、そうした食生活を送っても、貧血が改善されない場合は、検診の際に医師に相談し、鉄剤を処方してもらうこともできる。

 また、双子妊娠の場合は、単胎妊娠よりもおなかが張りやすい。おなかの張りに加えて出血がある場合、切迫早産などの可能性も考えられるので、病院に早めに連絡したほうがよい。連絡時、医療機関が正確に判断できるよう、妊娠週数と出血の時期、その色や量、回数など、またそれに伴う他の症状についても、伝えられるように記憶しておこう。

 さらに、双子妊娠は、単胎妊娠よりもおなかが大きくなり、妊婦の体重が増加するため、腰痛も起こりやすい。腰痛のほか、妊娠初期には、子宮が急速に大きくなることで腹痛も感じやすくなるといわれる。多くがさほど大きな痛みではないが、痛みが強いときなどは、切迫流産の危険もあるため、すぐに医師に連絡の上受診をしたほうがよい。

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