●冬の七草
冬の七草については諸説あって確かではないうえに、野草でもないが、古くから冬至の日に食べられている7種類の食べ物がある。それは”運盛り”と呼ばれ、運を呼び込めるとされる「ん」のつく食べ物である。特に「ん」が2つつく食べ物は、2倍の運を呼び込めると言われ、非常に縁起が良いとされている。
- (1)南瓜(なんきん)ーーーカボチャ
- (2)蓮根(れんこん)ーーーレンコン
- (3)人参(にんじん)ーーーニンジン
- (4)銀杏(ぎんなん)ーーーギンナン
- (5)金柑(きんかん)ーーーキンカン
- (6)寒天(かんてん)ーーーカンテン
- (7)饂飩(うんどん)ーーーウドン
■食べられない!? 「秋の七草」の由来と特徴
現在では七草粥を食べる習慣が有名なため、七草といえば「春の七草」を一番に思い浮かべる人が多い。しかし、本来的には七草といえば「秋の七草」なのである。
●由来
奈良時代にできた日本最古の和歌集『万葉集』に出てくる「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花」、「萩の花(はぎのはな) 尾花(おばな)葛花(くずばな) 瞿麦の花(なでしこのはな) 姫部志(おみなえし) また藤袴(ふじばかま) 朝貌の花(あさがおのはな)」という山上憶良(やまのうえのおくら)による2首が由来である。
第1首で秋に咲く野草を数え、第2首でその野草の名前を挙げている。当時は朝に咲く花をすべて朝顔と呼んでいたため、朝貌(アサガオ)の正体については諸説あるが、現在では桔梗(キキョウ)が定説となっている。
●特徴
他の季節の七草が食べられるのに対し、一般的に「秋の七草」は風流に愛でて楽しむ観賞用とされている。しかしながら、実は薬用や食用、衣料に使われてきた実用的な野草である。