「発酵食品」が長寿の秘訣!? 日本人に欠かせないしょうゆ、味噌、納豆の秘密を探るの画像
「発酵食品」が長寿の秘訣!? 日本人に欠かせないしょうゆ、味噌、納豆の秘密を探るの画像

 日本に広く普及している「発酵食品」。しょうゆや味噌やみりんは調味料の定番だし、納豆やヨーグルトやチーズを朝食に食べる人も多い。発酵食品は長持ちするというメリットもあり、冷蔵庫が存在しなかった時代はいわゆる「保存食」として重宝されていた。今回は、そんな発酵食品の秘密に迫る。

■「発酵食品」とは?

「発酵食品(はっこうしょくひん)」とは、食材を微生物の作用で「発酵」させて製造された食品である。「発酵」とは、微生物が酵素によって有機物を分解し、人間にとって有用な物質を作り出す活動のことである。他方、微生物が人間にとって有害な物質を作り出す活動は「腐敗」と呼ばれ、区別されている。

■発酵食品のメリット

 発酵食品のメリットとしては以下が挙げられる。

●保存性が高まる

 発酵食品が作られる過程で、雑菌の繁殖を防ぐ環境が整えられる。そのため、食品の腐敗を防ぐことができ、保存性が高まる。

●うま味を引き出せる

 発酵させることによって、元の食材に含まれるたんぱく質やでんぷん質が分解し、糖分やアミノ酸などの新しい物質が作り出される。これによって元の食材にはなかったうま味や風味を引き出すことができる。

●栄養価が上がる

 発酵させることで新しい物質が作り出され、これによって新たな栄養成分が引き出され、結果、栄養価が上がる。

■発酵食品を作り出す代表的な微生物

●乳酸菌

「乳酸菌(にゅうさんきん)」は、糖分を分解して乳酸を作る働きを持つ細菌の総称であり、ビフィズス菌もこれに含まれる。強酸性の菌なので、他の細菌を殺す作用も併せ持っている。

 乳酸菌が含まれる食材は、穀類、牛乳など。乳酸菌によって作られる発酵食品としては、まずその代表格ともいえる「ヨーグルト」「チーズ」が挙げられるが、実は「しょうゆ」「味噌」「ピクルス」「日本酒」の製造にも乳酸菌が関わっている。乳酸菌によって期待されている効果は、整腸作用、便秘予防など。

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