七福神の中で、唯一日本の神様は誰!? 調べてみたら謎だらけだったの画像
七福神の中で、唯一日本の神様は誰!? 調べてみたら謎だらけだったの画像

 宝船に乗り合わせてやってくる福の神が「七福神」である。縁起が良くてさまざまなご利益をもたらす七福神は、キャラクター化されることも多く、日常生活の中でも目にする機会が多い身近な神様といえるだろう。しかしながら、七福神の名前をすべて言える人は少ないのではないだろうか。今回は身近なのに詳しいことは意外と知らない「七福神」について、改めて調査してまとめてみた。

■知らないと恥ずかしい!? 七福神の起源と歴史

●七福神とは

 七福神とは、福徳をもたらすとして信仰されている七柱のことである。日本では古くから民間信仰として多くの神々が信じられており、生まれた国も宗教的な背景も異なる神様を組み合わせてセットで拝む七福神信仰も、室町初期にはすでに出来上がっていた。当初は「吉祥天」(きちじょうてん/きっしょうてん)や「猩猩/猩々」(しょうじょう)が入るなど、顔ぶれが入れ替わったりしていたが、江戸時代には現在と同じ「恵比寿/大黒天/毘沙門天/弁財天/布袋/寿老人/福禄寿」というメンバーに固定された。このメンバーに「お多福」や「達磨」(だるま)を加えて八福神としてまつる寺社もある。

■七福神、それぞれの特徴を徹底解説

●恵比寿(えびす)

 恵比寿は、七福神の中では唯一の日本生まれの神様である。「えびす顔」という言葉の由来である、ふっくらとした福々しい顔が特徴的だ。

 日本神話には、男神の伊邪那岐神(いざなぎのかみ)と女神の伊邪那美神(いざなみのかみ)の御子として「水蛭子/蛭児」(ひるこ)、「蛭子神」(ひるこのかみ)が登場する。ヒルのように手足のない子であったため、生まれて間もなく船で海に流されてしまった。流された蛭子神が、流れ着いたという伝説は日本各地に存在する。一方、日本の沿岸地域では、漂着物を「えびす神」とし、漁業の神として信仰することが多い。室町時代に、両者が同一視されて全国的に信仰が広まった。

 また、恵比寿を事代主神(ことしろぬしのかみ)と同一視する信仰もある。事代主神は託宣(たくせん)の神として知られ、天照大御神(あまてらすおおみかみ)が支配する高天原への国譲りを要求しにやって来た使者に対し、父神の大国主神(おおくにぬしのかみ)に代わって国譲りの誓約をしている。釣り好きであったため、海と縁深い恵比寿と結びつけられるようになった。七福神としての恵比寿は右手で釣り竿を持ち、左脇に鯛を抱えている姿で知られているが、これは事代主神がモデルとされている。

*恵比寿のご利益

商売繁盛 大漁豊作 五穀豊穣など

*恵比寿にゆかりのある有名寺社

兵庫県 西宮神社(にしのみやじんじゃ)

 全国に広がるえびす神社の総本山で祭神は蛭児大神(えびすおおかみ)、天照大御神、大国主大神、須佐之男大神(すさのおおおかみ)。大阪湾の沖で、漁師の網にかかってまつられていた御神像を、御神託によって現在の場所に移動したのが起源。その年の福男を決める『十日戎開門神事福男選び』は全国的に有名。

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