■ご利益と謎がイッパイ!? 七福神にまつわるアレコレ

●なぜ7なのか?

 中国の三国時代に活躍した知識人である「竹林の七賢」になぞらえたとする説や、仏教典に出てくる「七難即滅 七副即生」(7つの災難が取り除かれ、7つの幸福を授かる)という経を由来とする説などがある。

●7柱の立ち位置や順序、並べ方などは決まっているのか?

 決まっていない。巡礼するときや自分で並び順を決めるときなどは、授かりたいご利益の順番にするとよい。

●なぜ船に乗っているのか?

 七福神が船に乗っているのは、日本人は海の彼方から幸福がやって来ると信じているためだといわれている。七福神が乗っている帆船は宝船と呼ばれ、金銀や宝石といった宝物が満載されているという。

●なぜ初夢に見るとよいのか?

『永き世の 遠の眠りの みな目ざめ 波乗り船の 音のよきかな』という最初から読んでも最後から読んでも同じ音になる回文和歌が由来である。この歌が書き添えらた七福神の絵を枕の下に入れて眠ると、良い初夢を見られるといわれてきた。悪い夢を見てしまったときは、翌朝、絵を川に流して縁起直しすればよい。

■ブーム到来!? 1年中巡礼できる七福神巡りの定番ルート

 七福神をまつる寺社を詣でる七福神巡りは、室町時代に京都で発祥して現世利益を求める商人を中心とした庶民の間で広まり、日本全国に定着した。七福神巡りには決まったルールや作法などはなく、基本的には巡礼の時期や期間、順番なども自由でよい。

 しかし寺社によっては、通年ではなく初詣を兼ねた正月期間のみ七福神巡りに対応している所もあるため、事前の確認が必要だ。最近では、色紙に各寺社で御朱印をいただく寄せ書きスタイルや、本尊をかたどった小さな人形を集め、記念品とご利益を持ち帰るのが一般的になりつつある。

 福の神として人気がある七福神は全国津々浦々にまつられているため、七福神を巡るコースは数え切れないほど沢山ある。しかも、神社仏閣やパワースポットを訪れる聖地巡礼ブームと相まって、七福神巡りに注目する人が増えてきていることもあって、最近になって新しい霊場ももうけられ始めている。

 2018年の時点で、全国に少なくとも200カ所以上の寺社霊場があり、東京都だけでも30コース以上が確認されている。家の近所に七福神を巡るルートがないか、探してみるのも楽しいかもしれない。ここでは、通年対応している七福神巡りの定番ルートをご紹介しよう。

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