■酒と塩分摂取量が多い秋田県

 では、健康寿命が低い県は、何がマイナスなのか? 最下位の秋田県で指摘されるのは、酒と塩だ。酒どころだけに酒量が多く、しょっつる鍋や漬け物などの塩分が多い食品を好んで食べている。矢野氏はこうした食生活に加え、「人が良すぎる県民性」もマイナスになっていると見る。「秋田県民は、人から頼まれると嫌とは言えない性格の人が多いんです。こんな人はストレスも抱えてしまいがちです」(同)

 記事最後の表では、『ピンピンコロリ値』も算出した。人生の「日常生活に制限のある期間」のことで、これが短いほど病院や介護者のご厄介になる年数が少ない。東北地方は、このピンピンコロリ値が上位のところが多い。青森が1位で山形3位、岩手も7位だ。寝たきり期間が短い一方、突然死の場合もここに含まれるわけで、これも塩分摂取量が多いことが関係している。「塩分摂取量が多いと、血圧が高くなり、突然死を引き起こす心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなります」(循環器専門医)

■医師が多い地域で逆に健康寿命が短い!?

 他の地域にも目を向けてみよう。男性の健康寿命で、ワースト2の愛媛県、そしてワースト3の徳島県、ワースト5に高知県と、四国勢の健康寿命は他地域と比べて、かなり低い。なぜなのか? 前出の牧氏が次のように解説する。「意外なことに、徳島も高知も1人当たりの医師の数は多いのですね。こうした地域では自分の健康を、つい“医師任せ”にしてしまいがです。しかし、健康を保つには、自ら食事やお酒を節制したり、運動をするなどして努力することが大切なのです。医師が多い地域で逆に健康寿命が短いのは、こうした理由があるのかもしれません」(牧氏)

 実は、これと逆のケースがある。健康寿命こそ20位ながら、平均寿命日本一を連覇中の長野県である。「長野県は中高年の就業率が高いことや新鮮な野菜を食べていることで平均寿命を延ばしているといわれているのですが、1人当たりの医師数や病院は全国的にみてもかなり少ないのです。病気になっても病院にかかれないから、県民は日頃から健康に気をつけているのでしょう」(前同)

 健康と長寿は、医師が導くのではなく、日頃から健康のために努力する人に舞い降りる――ということなのだろう。

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