ならば、江川氏より下の世代、たとえば桑田真澄氏はどうか。「桑田なんかも素質はあるんだけどね。巨人を辞めるときのゴタゴタがいまだに尾を引いていて、彼を推す声は皆無。候補に名前すら挙がらない」（前出のＯＢ）
そんな中、ここにきて急浮上しているのが上原浩治の名前。今季、抑えの切り札としてメジャーから呼び戻したのは、実は監督人事含みのことではないか、というわけだ。しかし、事情通たちは、「帰ってきてから、まだ日も浅いですからね。特に、今季はキャンプにも入らないままのシーズンインということで、本人も納得いっていないでしょうし、数年後ならともかく、今オフに引退して由伸監督の後継に……という形での監督就任はありえないですよ」（巨人担当記者）と考えるのが一般的だという。「ある程度、コーチ経験を経てから監督の座につけるという、これまでのやり方から考えれば、上原はまだ早い。現在のコーチ陣の中から次期監督が選ばれるのでは」（スポーツ紙デスク）
■Ｕ-２３日本代表を世界一に導いた斎藤雅樹
そうなると、“大本命”として現実味を帯びてくるのが斎藤雅樹投手総合コーチの名前だ。一昨年、侍ジャパンＵ-２３日本代表を世界一に導いたことで、一気に指揮官としての手腕が注目され始めた。「一時、候補といわれた川相昌弘二軍監督に比べて実績も申し分なく、ファンも受け入れやすい。少し厳しさが足りないような気がしますが、それは、やっているうちに身についてくるでしょう」（前同）
むしろ、問題は由伸巨人が不甲斐ない成績を残してしまった場合、投手総合コーチとして斎藤氏自身も責任を取る可能性があること。投手陣の立て直しが失敗に終われば、チームを去る可能性もゼロではないのだ。「もちろん、巨人が優勝すれば、由伸監督の続投という可能性も大いにあります。若手が徐々に育ちつつある今、そうなってくれるのが一番という気もしますがね」（巨人軍関係者）
来年の今頃、巨人軍の指揮を執っているのは、いったい誰なのか……。球界も、一寸先は闇だ！
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