■北海道や九州など、地方での大規模渋滞も

 今夏の道路事情の特徴として、地方での大規模渋滞も挙げられる。北海道の道東道2か所、東北道の宮城県内2か所、山陽道の広島県内1か所、九州道の福岡県内3か所で、20キロ以上の渋滞が発生する見通しとなっている。また、東海北陸道の岐阜県内、四国の松山道、高松道でも15キロの渋滞発生が見込まれていて、大都市や、その周辺部を抜ければ問題ないというワケにはいかなそうだ。

 そのため、別ルートがない路線は仕方がないにしても、迂回路がある場合は積極的に活用したい。たとえば〈東京⇔仙台〉であれば、東北道だけでなく常磐道も並行して走っている。SA・PAの充実度では東北道にはかなわないが、走行距離は常磐道のほうが約20キロ少ない。〈常磐道⇔東北道⇔関越道〉の“横移動”として北関東道、〈中京⇔関西〉の迂回路として、新名神や名阪国道、京滋BPが挙げられる(京滋BPはピーク時に連日の渋滞が予測されているため、利用時間帯に注意)。また、〈中国地方⇔北陸〉であれば、名神と北陸道の迂回路として若狭舞鶴道が機能する。京都市付近から日本海側に抜ける京都縦貫道も、ぜひ考慮したい路線。また、今年3月には、新名神の高槻JCT(大阪府)~神戸JCT(兵庫県)までが開通し、関西の渋滞頻発ポイントである中国道の宝塚TN付近を回避できるようになった。九州では、〈北九州⇔宮崎〉において東九州道と九州道のWネットワーク化がされている。

 一方で、これらの自然渋滞とは無関係に起こる事故渋滞は、ドライバーにとって実に厄介な存在だ。「高速に乗る前に事故渋滞が分かっていたら、乗る時間を遅くするしかありません。事故処理が終わるまでは、車両の走行をストップさせることが多いですからね」(同)

 では、実際に渋滞にハマってしまったら、どう運転すればいいのか。「どの車線が一番早く進むのか、というのは一概には言えません。というのも、走行場所によって車線数が違えば、出入り口の場所や個数が違うからです。とはいえ、そんな中でも一つの目安にしたいのが、高速路線バスです。毎日走行しているからか、うまく進める車線を選んで走っているように見受けられます。東名の厚木付近で、何度か高速路線バスの後ろをついていったんですが、予想より早く進めたことが多かったです」(同) プロの経験と勘を拝借するのも一つの手だ。

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