■川相昌弘は高橋由伸監督の後任として有力だったが

 一方、十分な結果を出しながら、解任されてしまった人物もいる。川相昌弘前2軍監督(54)だ。今季、巨人の2軍は、イースタン・リーグを独走で優勝。さらに、9つある個人タイトルのうち、7つを巨人選手が独占した。しかしそれでも川相氏は、今季限りで2軍監督を退く。

「川相さんが解任されたのは、フェニックス・リーグ(若手選手が参加する教育リーグ)に臨むため、宮崎を訪れていたときのこと。こんな突然すぎるクビ通告は、原監督との確執抜きには考えられません」(同)

 2人の因縁は、第二次原政権にまでさかのぼる。川相氏は2011年から2軍監督を務め、13年から1軍ヘッドコーチに昇格。原監督をサポートする立場となった。

「もともと川相さんは、読売グループ内部で指導力を高く評価されていた。1軍ヘッドコーチに昇格したのも、フロントの意向だったといいます。しかし、当時の1軍ベンチは村田、斎藤といった“原ファミリー”が占拠。ほとんど何もさせてもらえなかったみたいですね」(巨人関係者)

 そんな中、14年と15年に、原監督が実父の病気などで6試合離脱。川相ヘッドが代理で指揮を執った。「このときの成績は、なんと5勝1敗。ナベツネさん(渡邉恒雄読売新聞グループ本社代表取締役主筆)も“原がいなくても勝てる” とベタ褒めでした。そして、どんどん川相さんの評価が上がっていき“ポスト原” の最有力にまでなった。何度もチームを優勝させてきた原さんにしてみれば、けっして面白くはないでしょう」(前出の巨人番記者)

 確かに今回も当初は、由伸監督の後任として、「川相監督・中畑GM」が内定したといわれていたのだ。「川相自身は、今回の“次期監督説”を否定。しかし取材陣には、若手育成の任を、志半ばで解かれた無念さをにじませていました。内心、不満はあるんでしょうね」(前出のデスク)

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