同年11月には学研の新アイドル誌『Momoco』のイメージガールとして、創刊号のカバーを飾っている。学研は、その名前をタイトルにするほど、菊池桃子をプッシュしていたのである。この目新しい雑誌を手にした多くの少年たちは、表紙で微笑む少女に心を奪われることになる。

 人気が急上昇すると、翌年3月には映画『パンツの穴』に主演。件の読者投稿ページに寄せられたネタをモチーフにしたこの作品は、インパクト大のキワモノ映画だった。

「なにしろ、『温泉スッポン芸者』、『エロ将軍と二十一人の愛妾』を世に送り出した下ネタの権化ともいえる鈴木則文監督作品。青春映画の体裁ではありますが、思春期におけるセックスと糞尿に絡んだナンセンスなエピソードがこれでもかと展開されています」(映画雑誌関係者)

 そのなかで、菊地桃子は、下ネタには絡まない“掃き溜めに鶴”的な存在のヒロインを演じた。
「彼女が凄いのは、下ネタ全開ワールドの中で、少しもイメージを崩さず、無菌状態を維持していたことです。あの“永遠の処女”的な雰囲気は、持って生まれた才能だと思います。それを、結婚、出産、離婚を経験し、アラフィフになった今でも守っているのだから驚きです」(芸能誌記者)

 同年に『青春のいじわる』で歌手デビュー。瞬く間にトップアイドルの仲間入りを果たし、『雪にかいたLOVE LETTER』。『卒業-GRADUATION-』、『BOYのテーマ』『Say Yes!』などヒット曲を連発。テレビドラマ、映画に主演。CMにも引っ張りだことなった。

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