歌唱力は抜群とはいえなかったが、ホッとさせてくれる笑顔は、多くのファンを掴んだ。またその癒し系トークはラジオで重宝され、TBS、文化放送、ニッポン放送と民放主要3局で同時にレギュラー番組を持っていた時期もあった。

 だが、そんな彼女も、2度ほど大胆なイメージチェンジに挑んだことがある。

 1度目は、88年の“ロックバンドのボーカル”への転向宣言だ。

「彼女とロックとではイメージがあまりにかけ離れていました。その上で、結成されたバンド『ラ・ムー』の音楽性は、ロックとは言い難い、ブラックミュージック的なもので、ファンは二重の違和感を覚える結果になりました」(音楽関係者)

 この路線は商業的に失敗し、1年半で活動終了。彼女は歌手活動を休止することになる。

 2度目のイメチェンはラ・ムー活動休止後の89年。女優活動に活路を見出し、中山美穂(48)主演のドラマ『君の瞳に恋してる!』(フジテレビ系)に助演したときだ。

 ここで演じたのは、知り合ったオトコとすぐに寝てしまう、奔放なフリーター役だった。初のキスシーンにもトライした。

 従来のファンを突き放すことで、女優として一定のポジションを掴むことに成功している。といっても、非清純派の役はこの時限りとなった。

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