■YouTubeのリレー企画でエールを送る
この期間に、SBではYouTubeの公式チャンネルで「コロナに負けない 動画リレー」と題した企画を展開している。各選手が自宅などで撮った動画を毎日1本ずつアップしているのだ。
「せっかく実力がついて人気が出て来た選手たちのことをファンの人たちに忘れられないように、趣味や特技、何でもいいから『今、何をしてるのか』を発信してもらってます。ウチはSNSをうまく活用できてない選手が多いんですが、動画の反応などからいろいろ考えるようになりますよね。そのきっかけにもなればと思ってます。
僕のオススメですか? 例えばMISAKIの「~自宅で正しい食事の取り方を解説編~」。管理栄養士の資格も持っている彼女がイラストも交えながら、ダイエットについて解説してるんですが、説明の上手さとやたら独特なイラストのコントラストにニヤリとしてしまいます。それから、笠原友希の「~自宅でひとりファッションショー編~」。ファッション好きな彼が自分の服を解説してるんですが、話し方がとにかく初々しいんですよね(笑)。他にもいろんな選手が思い思いに撮ってくれていますので、見てみてください」
このまま状況が終息に向かえば後楽園大会は9月19日に再開の予定だが、状況によっては早くなることもあり得るという。そして11月には「S―cup世界トーナメント2020」を開催予定だが、この期間にリングへの意欲を溜め込んだ選手たちが、再開された舞台でどんな戦いを見せてくれるかに期待したい。
そして、やはり自粛期間を過ごしているRENAからメッセージをもらったので最後にご紹介しよう。年末のRIZINに続くRENAの戦いも、多くのファンが待ちわびているところだ。
「いま世界中がコロナウイルスによって未曾有の事態となっていますが、エンタテインメント業界は特に活動が制限されて、試合はもちろん練習もこれまで同様にはできない状況なので、私はウイルスの媒介者にならないようにSTAY HOMEを守っています。
選手として体力が落ちないように外をランニングをしたり、誰もいないジムで1~2時間黙々とMMAの基礎トレーニングやシャドーボクシング、サンドバック打ちをしたりしていますが、ずっと普通だと思っていた日常が普通ではなくなって、これまで本当にいい環境で練習ができていたんだなぁというありがたみや仲間の大切さを、あらためて感じています。
ただ、家にいる時間が長過ぎると気持ちは滅入ってくるので、見たかった海外ドラマや漫画『鬼滅の刃』を一気見したりNintendo Switchで『あつまれどうぶつの森』などゲームをしたり、私なりに人と会えない“今”を楽しむようにしています。
毎日コロナ関連のニュースを見ているとやはりネガティブにもなるとは思いますが、自分が気をつけているからといって不用意に自粛の意識を緩めてしまうのではなく、家族や友人知人など大事な人たちの人命にも関わってくることだと考えて、感染リスクを抑えるためにグッと我慢をするべき時だと思っています。自分がコロナにかかるリスクなんかよりもっと大事なことです。
格闘技が、野球やサッカーなどメジャースポーツのように世間一般の皆さまからちゃんとしたスポーツだと認識してもらえるように、こんな大変な時期だからこそ団結力とモラルを持って行動する場面なはずです。
コロナが収束した暁には、私も一格闘家として見てくれる方々に本当の意味での力や勇気を与えることができるように頑張りたいと思います。皆さん頑張りましょう!」
(取材・文=高崎計三)
SHOOT BOXING(シュートボクシング)
1985年に、元キックボクシング日本ウェルター級チャンピオン、シーザー武志(現・シュートボクシング協会会長)によって創設された、パンチ、キックに加え、投げ技や立った状態での関節技が認められた立ち技総合格闘技。現在は、同団体のみならず、RIZINで総合格闘技にも挑戦するRENA、日本スーパーライト級王者の海人、日本ライト級王者の西岡蓮太らが活躍中。
高崎計三(たかさき けいぞう)
1970年福岡県生まれ。編集者、ライター。ベースボール・マガジン社入社、『船木誠勝のハイブリッド肉体改造法』などの書籍や『プロレスカード』に携わる。02年、(有)ソリタリオ設立。現在はウェブ、雑誌等の紙媒体など様々なメディアで活動中。著書に『蹴りたがる女子』『プロレス そのとき、時代が動いた』(ともに実業之日本社)などがある。
Twitterアカウント:@solitario_k
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