鈴木秀明(左) ぱんちゃん璃奈(右)
鈴木秀明(左) ぱんちゃん璃奈(右)

バナー題字・イラスト/寺田克也

 

国内外で複数のベルトを腰に巻き、ムエタイの本場・タイでもランカーをTKOするなど、現役時代は“ムエタイ・キラー”と名を馳せた鈴木秀明。現在は自らのジムで代表を務め、プロ・アマを問わず指導にあたっている。非常事態宣言が解除されるも、東京アラートが発令されるなど、予断を許さない状況のなか、ジムをリスタートさせた鈴木に今の気持ちを聞いた。

 最近、鈴木秀明は白髪が目立って増えた。理由を考えると、ひとつしか思い浮かばなかった。COVID-19だ。東京・押上で代表を務めるキックボクシングジム「STRUGGLE」(ストラッグル)の運営について、あれこれ考えるうちにそうなってしまったのだ。

 鈴木は「いまは答えのない中でジムの運営を模索している」と打ち明けた。そうなるのも無理はない。新型コロナウイルスは格闘技&武道系のジムや道場を恐怖のどん底へと陥れた。濃厚接触競技であるがゆえに、大半の施設は臨時休業に追い込まれたのだ。時短営業やプロ練習のみ認めているところもあるが、マスク着用や手洗いは徹底せざるをえない状況が続く。

 もっとも、除菌については情報が錯綜している面もあり、いずれのジムも対応に苦慮している。当初はコロナの消毒に有効とされた次亜塩素酸水も一度「有効ではない」という報道がなされるや、使用を取りやめる施設が続出した。しかし、その後、有効ではないとする報道を逆に疑問視する声も出ており、正しい答えはいまだ出ていない。

3密を避けて、十分な間隔をあけてのトレーニングを行っている
3密を避けて、十分な間隔をあけてのトレーニングを行っている
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