コロナとともに生きなければならない時代のMVをCGを通して表現した「世界中の隣人よ」【乃木坂46「個人PVという実験場」第14回1/4】の画像
※画像は『今、話したい誰かがいる(Type-A)(DVD付)』より

乃木坂46「個人PVという実験場」

第14回 VFXを通して乃木坂46の映像作品を拡張する荒船泰廣作品 1/4

■乃木坂46作品をVFXで拡張する

「第62回 輝く!日本レコード大賞」が、2020年12月30日にTBS系で放送される。大賞ノミネート作品となる「優秀作品賞」には今年も乃木坂46の楽曲が名を連ねているが、今回選出されたのは配信曲『世界中の隣人よ』だった。

https://www.youtube.com/watch?v=1gD76kKWKsE
(※「世界中の隣人よ」MV)

『世界中の隣人よ』は、新型コロナウィルスの感染拡大防止の呼びかけや医療従事者への感謝のメッセージを込めて5月にMV公開、6月に音源の配信が開始された。他に『キャラバンは眠らない』MVなどを手がける横堀光範が監督を務めた同MVは、緊急事態宣言が発令された今春の状況下で、各メンバーが自室等で撮影した自撮り映像や人の絶えた街並みを中心に構成されている。

 さらにMV終盤では、乃木坂46が2014年から毎年ライブを行なってきた明治神宮野球場が登場し、再びのライブ開催を祈るように仮想的なステージやペンライト群などが映し出される。コロナウィルスに対峙することが不可分になった2020年を刻印する意味では、同曲は確かに象徴的な作品である。

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