■寮生活も厳しかったが
――西武は練習だけでなく、寮生活も厳しかったとうかがっています。
大久保 寮の見回りがあって、酒やタバコはもちろん、カップラーメンですら禁止されていました。門限も厳しくて。そんな中でも先輩たちは気を遣って、よくメシに連れてってくれましたね。ナベちゃん(渡辺久信氏)には、入寮したその日に、門限の破り方を教わりましたよ。
――息抜きもされていたんですね。
大久保 もちろん事故が起きない程度にですけれど。仲間うちで男だけの飲み会を楽しんでいました。
――そのメンバーは?
大久保 工藤(公康)、笘篠(誠治)、渡辺と、俺。「4兄弟」なんて呼ばれていました。いつも、そのメンバーでご飯を食べて、カラオケに行って。
――のちに清原氏も、そこに加わるんですか?
大久保 はい。キヨが西武に入ってきてからは、本当によく遊びました。当時はファーストのレギュラー争いをしていたので、あいつは、俺にとってライバルじゃないですか。でも、遊んでいるうちに、すごいやつだなと素直に感心するようになりました。野球に関することはもちろん、人間的にです。礼節がしっかりしていて、それは、どんなに親しくなっても崩れることがなかった。
――印象に残っている出来事はありますか?
大久保 当時のライオンズの選手はみんな、自分のお金で飲んでましたね。タニマチは作らない、そういう教えだったんです。キヨだって、50億くらい、銀座で小便にしちゃったなんて噂があったくらいです。