■長嶋監督に通ずる原監督

――93年からは長嶋茂雄氏が巨人の監督に就任されますね。長嶋氏は、どのような方でしたか?

大久保 闘志あふれる方で、とても負けず嫌いでした。ミーティングでも、「絶対に勝つぞ」と年中、言っていました。

――長嶋監督の強さを感じた瞬間はありますか?

大久保 10・8決戦で中日と戦ったときですね。後に(長島)三奈ちゃんのインタビューで知るんですが、監督もすごいプレッシャーだったようです。そのとき、彼女は取材で名古屋ドームに来ていたみたいなんですけど、その決戦の後、「お父さん(長嶋監督)から、今日は俺の部屋で一緒に寝てくれって言われた」って。でも、選手にはそんな姿を一切、見せませんでした。

――気丈に振る舞っていたんですね。

大久保 そこから強気のポーズを取ることの大切さを学びました。姿勢からポジティブにする。それが脳内物質であるセロトニンの増減にも関わってくることは、医学でも証明されているんですよ。長嶋監督は本能で分かっていたんです。

――すごい! それは今の原監督にも通じるのでは?

大久保 はい。最近、特に長嶋さんに似てきたでしょ? 1次政権時は、かつての優しい印象のままの監督だったのが、2次政権では真逆の、厳しく勝負に徹する監督になっていた。僕は3次政権の今が完成形だと思います。やっぱり長嶋監督のように、勝負師の血が流れているんだなって。

――今の巨人は非常に良い状態だと言えますか?

大久保 はい。盤石ですよ。

――その点はかつての西武と重なるものがありますね。

大久保 はい、似ています。キャンプのときも非常に厳しい練習量をこなしていました。ピッチャー陣も、だいぶ投げ込んでいましたね。

――最後に今年の日本シリーズの予想を聞かせてください。

大久保 もちろん、実力はソフトバンクが上です。何が違うかって、投手陣が非常に良い。あそこから点を取るのは難しいでしょう。原監督とも話したんですが、巨人は勝つことよりも負けない方法を考えること。まずは4連敗だけは絶対にしないことを考えて、次は3連敗阻止。そして、2連敗阻止といった具合ですね。それくらい、ソフトバンクは強いチームです。

――では、巨人の日本一奪還は厳しいと。

大久保 いえ、巨人が勝つ可能性も十分あります。去年の日本シリーズが教訓として残っているか、嫌な思い出として残っているかが重要です。いかに士気を上げるかが、監督の手腕の見せどころじゃないでしょうか。そして初戦が大事。初戦を勝てば、ギリギリの戦いで巨人が日本シリーズを制するはずです。

――大久保氏も熱視線を送る日本シリーズを、原巨人はどう戦うのか。目が離せない一戦となりそうだ。

大久保博元プロフィール おおくぼひろもと 1967年2月1日生まれ 茨城県出身 右投右打 選手通算成績 303試合 打率.249 安打158 本塁打41 打点100監督通算成績 160試合 勝利65 敗戦92 引分3 勝率.414

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