巨人原監督が狙う日本一奪還!「雪辱のミラクル神采配」スッパ抜きの画像
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 勇将の下に弱卒なし――。当代随一の指揮官は、“絶対不利”とされる決戦を前に、静かに必勝の作戦を練っていた。

 セ・パ両リーグとも優勝チームが決まり、今季のプロ野球も残すはCS(クライマックスシリーズ、今年はパ・リーグのみ)と日本シリーズになった。

「CSは11月14〜17日(18日は予備日)の日程で行われますが、ペナントを制したソフトバンク(以下、SB)が勝ち上がることは間違いないでしょう。10月に入った時点では2位のロッテにゲーム差0に迫られていたSBですが、そこから怒濤のスパートを見せ、12連勝を含む月間22勝で貯金18。これは、ともにプロ野球新記録です。ペナント終盤に、地力通りの圧倒的な強さを見せましたね」(スポーツ紙デスク)

 一方の巨人は故障者なども目立ち、“勝ち疲れ”からか、終盤に失速。10月は借金4で終えるなど、らしくない試合が続いた。こうした状況も手伝い、球界関係者の間では、巨人とSBで日本シリーズを戦えば、“SB有利”が定説となっている。

「昨年の日本シリーズでは、SBに手も足も出ず4連敗。原監督は渋面を作り“かなり高い壁がある”と声を絞り出すのが精いっぱいだった。巨人は1年でチーム力の底上げに成功したが、真正面からぶつかれば、まだまだSB有利は揺るがないだろう」(巨人OB)

 しかし一方で、「巨人が日本一になる目はある」とする球界関係者も存在する。9月にV9時代の指揮を執った川上哲治監督の勝利記録(1066勝)を超え、巨人監督の歴代最多勝利記録を塗り替えた原監督。長嶋茂雄終身名誉監督が「(監督として)私など足元にも及ばない」と賛辞を贈るなど、その力量は誰もが認めるところだが、「原監督の采配力が日本一を呼び寄せる」(球界関係者)というのだ。

「監督として14年目のシーズンとなった今季は、選手の起用、シーズン途中の補強など、随所に冴えを見せました。原監督はチーム力で劣っていても、采配力で勝てると考えているのではないでしょうか」(前出のデスク)

 球界で“神采配”とも形容される、その鮮やかな手腕。それこそが、巨人最大の武器だと言えるが、実は原監督は、ペナント中から日本シリーズでの“SB潰し”を念頭に、指揮を執っていたフシがあるという。

「今季の巨人は、リリーフ投手を1イニング未満で交代させた試合が100試合以上もあります。これは12球団で断トツの数字ですが、小刻みな継投は日本シリーズなどの短期決戦を意識した戦い方なんです」(前同)

 また、昨年の日本シリーズでは失策が相次ぎ、勝負の流れを相手に奪われてしまったが、今季のチームの失策数は40(11月4日現在)と、SBの57より、はるかに少ない。

「若林晃弘やウィーラーなど、複数のポジションを守れるユーティリティプレーヤーを日替わりで起用しながら、失策が少ないのは驚き。原監督が、本気で守備力の強化に努めてきた証拠」(前出のOB)

 日本シリーズ必勝の布石は、シーズン中から打たれてきたというのだ。

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