■攻撃面では“先手必勝作戦”

 続いて攻撃面を見てみよう。いくらエース菅野らが奮投しようとも、SBの投手陣を打ち崩さなければ勝利することはできない。これは原監督とて百も承知のこと。原監督の指示で巨人のスコアラー陣がSBの弱点を洗ったところ、導き出されたのが、“先手必勝作戦”だという。

「原監督は“先行逃げ切り”が得意な指揮官。今季の巨人では、先制点を取った試合の勝率が、なんと8割を超えているんです。対するSBも先行逃げ切り型で、7回終了時点でビハインドの展開から逆転勝利を収めたのは、10月31日のロッテ戦が唯一。シリーズでは、先に点を取ったチームが勝つ可能性が高いんです」(スポーツ紙デスク)

 そこで有効なのが“超攻撃的布陣”だ。

「4タテを食らった昨年のシリーズで、2ホーマー、出塁率.412と一人、気を吐いたのが亀井善行。現在はケガで調整中だが、間に合うと聞いている。その亀井をトップに置き、2番坂本勇人、3番丸佳浩、4番岡本和真の主軸を並べ、巧打の大城卓三、今季復活の中島宏之、一発があるウィーラー、9番にスイッチヒッターの若林晃弘を並べる打線は重厚」(前出のOB)

 江本氏も、攻撃型布陣を推す。

「先手先手を取っていくという意味でも、坂本を1番、丸を2番にするような攻撃的なオーダーは面白い。大阪の京セラドーム(※今年はコロナ禍で日程変更があったため、巨人は東京ドームが使えない)がホームということを考えても、オリックス時代に京セラドームに慣れている中島を3番に持ってきてもいい」

 中島は巨人の“臨時ホーム”となる京セラドームを苦にしないうえ、SBの本拠地であるPayPayドームでも過去、.270程度の打率を残している。

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