■シリーズでの先発投手の起用は

「人事は尽くした原監督ですが、シリーズでの先発投手の起用には頭を悩ませるでしょう。巨人には、開幕13連勝のプロ野球記録を達成した“絶対エース”菅野智之がいますが、それ以外の先発陣には信頼をおけないからです」(スポーツ紙デスク)

 シリーズ7戦の巨人の先発投手は、「菅野→サンチェス→戸郷翔征→高橋優貴→畠世周→菅野→サンチェス」の順が予想される。

「SBには左の好打者が多いので、巨人は左投手の先発を増やしたかったが、メルセデスが左肘手術のため、今季絶望。左肘痛から10月に復活した高橋と、今季4勝を挙げている今村信貴しかいません。シリーズでは、どちらかが先発するはずです」(スポーツ紙巨人担当記者)

 左腕なら田口麗斗もいるが、「原監督は、田口は中継ぎにおいてフル稼働させるつもり」(前同)だという。

 かように、「先発投手不足」の巨人。一方のSBは先発陣が充実している。

「右は千賀滉大(11勝)を筆頭に、今年ブレイクした石川柊太(10勝)、東浜巨(9勝)の3枚。左はムーア(6勝)とベテランの和田毅(8勝)を擁し、先発5枚の安定感は抜群です」(スポーツ紙SB担当記者)

 ライバルに先発投手で劣る巨人。原監督は、どんな作戦を用意しているのか。

「菅野以外の先発は、“まずい”と感じたら早目に交代させるはずです。そのために、田口や大竹寛、鍵屋陽平など、ロングリリーフが可能な投手をフル稼働させるはずです」(前出の担当記者)

 とはいえ、エース菅野には確実に2勝を挙げてもらう必要がある。解説者の江本孟紀氏も、「負けゲームを覚悟し、菅野で確実に2勝すれば、勝機は十分にある。終盤、畠が完封したり、潜在能力の高い投手もいますからね」と、“菅野で2勝”を絶対条件に挙げる。

「菅野は1戦目と6戦目に登板予定ですが、4戦目で大手をかけられたら、原監督は中4日で5戦目に登板させるでしょう。また、最終戦は菅野を中継ぎや抑えで起用することも考えているはずです」(前出の巨人担当記者)

 2013年に、シーズン勝0敗の活躍を見せ、日本シリーズでは巨人相手に第1、6戦に先発、第7戦では9回を抑え、楽天を日本一に導いた田中将大(現ヤンキース)。菅野にも同じく、“シリーズ3投指令”が下されそうだ。

 巨人の投手陣にはもう一つ、SBの“怪物”柳田悠岐を、どう抑えるかという課題もある。

「シーズン中、徹底した内角攻めで優位に試合を進めた、ロッテの戦い方が参考になるんじゃないでしょうか。今季のSBの打線には、そこまでの厚みはない。柳田を勢いづかせなければ、必要以上に怖がる必要はないはずです」(前出の江本氏)

 柳田封じに関しては、原監督も江本氏と同じことを考えているという。

「シリーズで先発が予想される高橋は、4日の広島戦で執拗にインコースを攻めていました。優勝を決めて以降の試合は、原監督から“インコース攻めに慣れておけ”と指令が出ていたのではないでしょうか」(巨人担当記者)

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