立川志の輔×渡辺正行「座布団におねしょを!?」スペシャル対談の画像
立川志の輔(左)と渡辺正行

 本誌で大好評連載中の『コント赤信号 渡辺正行 スター芸人たちの“笑いと涙”』。その年末年始特別編として、明治大学落語研究会の2年先輩・立川志の輔師匠との対談が実現! 明大落研での出会い、コント赤信号のデビュー、志の輔誕生の裏側など、余すところなく語ってもらった。

渡辺 今日は緊張するなあ。

立川 何言ってるんだよ(笑)。

渡辺 僕、1974年に入学して落研に所属するまで、落語のことを何も知らなかったんですけど、初めて生で観て、その面白さに感動したのが志の輔さんの落語だったんですよ。

立川 へえ、そうなんだ。

渡辺 ただ、楽しそうと思って落研に入ったものの、上下関係は厳しいわ、みんな、落語に対する姿勢がマジメすぎるわ……。なんかイメージと違ったから、ちょうど辞めようか悩んでた時期だったんです。でも、志の輔さんという憧れの存在ができたことで、「俺もしっかりやれば、いつか、この人のように面白い落語ができるかも」と思えるようになったんです。

立川 ナベちゃんが初めて観て感動した落語が俺だったなんて、みんなに言い触らしたいなあ。

渡辺 いやいや、何言ってるんですか(笑)。

立川 だけど俺も同じだよ。2学年上に、三宅裕司さん(69)という先輩がいて、「三宅さんみたいにうまくなりたい。面白くなりたい」と思ってたからこそ、頑張れた。当時は、古今亭志ん朝師匠、柳家小さん師匠、俺の師匠の立川談志と、うまい落語をたくさん聴いて、コピーすることに没頭してたね。

渡辺 三宅さんと同じように、本格的な落語を目指してましたよね。

立川 ところが、ナベちゃんの落語はルールもへったくれもなくて。登場人物の立場に合わせて上手と下手があって、それで顔の向きが決まるんだけど、もうムチャクチャ(笑)。

渡辺 志の輔さんを目指してたはずなのに、面白けりゃいい、みたいな感じでしたからね(笑)。

立川 破天荒だったけど、すごくウケてた。それが、俺にはショッキングだったの。座布団の上で解き放たれて、しゃべってるうちに空間をつかんでいく力はもう、天性のものだよね。

渡辺 ホントですか!? ありがとうございます(笑)。

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