■うちの弟子がやったらクビにするかも

――明大落研で代々受け継がれている高座名の一つ、「紫紺亭志い朝」。その4代目が三宅さん、5代目が志の輔さん、そして6代目がリーダーだ。

渡辺 2年生の冬に、もうじき卒業する4年生に高座名をもらいに行くという伝統があって、志の輔さんが住んでいた代田橋まで行ったんですよね。そしたら、寿司屋に連れて行ってくれて、僕が食べたこともないつまみを注文するわけですよ、小柱とか!

立川 あはは。ホントに?

渡辺 はい。ただでさえ寿司屋に入ったことがないのに、「小柱って何? 小さい柱が出てくるの?」っていう(笑)。

立川 小柱押すね〜(笑)。

渡辺(笑)。でも、憧れの先輩から高座名をもらうということで、ずっとビビリながら飲んでるうちに泥酔してしまって、それぐらいしか覚えてない(笑)。

立川 ただ、問題は、その先だろう。ナベちゃんが口火を切らないことには、俺からは言えないな(笑)。

渡辺 ハイ……えーと、その日は志の輔さんのアパートに泊まることになって、志の輔さんがベッド、僕が高座用の座布団を何枚か敷いて寝たんですよね。それで夜中の3時くらいにオシッコをする夢を見て……。出し切ったと同時にハッと目覚めてみたら、座布団にホントにおねしょをしてた(笑)。もう二十歳ですよ。しかも、高座名をもらいに来た大事な日に。それがもう、情けなくて……。

立川 あははは。

渡辺 洗うわけにもいかないから、とりあえず座布団を二つ折りにして、洗濯機の中に突っ込んで。志の輔さんのタンスからパンツを拝借してはいて、また寝たんです(笑)。

立川 そんなことをしたのに、よく寝れるよね(笑)。で、俺が朝起きて、トイレに行こうとしたら、その座布団を見つけたんだ。「これは何だ?」って思って、すぐにナベちゃんに聞いたんだよね。

渡辺 さすがに隠し切れないので、すべてを話したら、志の輔さんは「ああ、そうなんだ。ガッテン、ガッテン」って納得してくれて。

立川 そんなこと言うわけないだろ(笑)。まだ、番組やってないよ!

渡辺 あのとき、「こいつに高座名をあげるのは、やめよう」とは思わなかったんですか?

立川 呆れ返ったけど、学生時代は俺も飲んで失敗してたし、それはないよ。まあ、今、うちの弟子がやったら、クビにするかもしれないけど(笑)。

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