■5年連続“開幕戦ホームラン”

 さあ、ここからは球界の“2大スーパースター”ONの開幕戦を見ていこう。まずは、“ミスタープロ野球”こと長嶋茂雄から。

「大舞台に強いミスターには“5年連続開幕戦ホームラン”の記録があります。最後に打ったのは、74年。現役最後の年でした。4月6日、開幕戦のその日、長嶋家は大忙しでした。長男の一茂くんは小学校3年生の始業式、長女の有希ちゃんは幼稚園の入園式。ミスターは、亜希子夫人の炊いた赤飯を食べて球場に向かったといいます」(長嶋氏を知る関係者)

 亜希子夫人も、この日が夫の最後の開幕戦になることを知っていたという。

「6回1死、ヤクルトの松岡弘の2球目をレフトスタンドに運んだミスター。これが5年連続、通算10本目の開幕ホームランでした。なぜか、この日、ミスターは試合直前に白い手袋を買っていて、これをスタンドのファンに向けて振りながらベースを一周したんです。これは、長年開幕戦を応援してくれたファンへの“別れの挨拶”だったのかもしれません……」(前同)

 続いては、長嶋第2次政権の初陣となった93年の開幕戦での出来事。

「13年ぶりに巨人の監督に復帰したミスターは、5-2で横浜に勝利した瞬間、“ヨッシャー”と甲高い声で絶叫。ベンチを飛び出し、大観衆に歓喜のパフォーマンス。まるで優勝したかのようでした(笑)。あのミスターの笑顔は、今でも忘れられませんね」(巨人球団関係者)

 実はこの日の試合前、ミスターにはもう一つ、うれしいことがあったという。

「愛弟子の松井秀喜が、2軍戦でヤクルトの伊藤智仁からホームランを打っていたんです。ミスターは満面の笑みでしたよ」(前同)

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