■特大の偉業「150メートル場外ホームラン」

 一方、王貞治も開幕戦で“特大の偉業”を成し遂げている。それが「150メートル場外ホームラン」だ。

「1964年の開幕戦、王が金田正一(国鉄)から放ったシーズン第1号は、後楽園球場の場外へ消えました。なんと、これがローラースケート場を越えて、コーヒーショップの屋根に当たる特大ホームラン。この年、王は荒川博コーチと二人三脚で完成させた一本足打法が開花。5月には甲子園(阪神戦)で4打席4ホーマー。年間55本の日本記録を作り、ホームラン王と打点王の二冠王に輝いています」(前出の巨人球団関係者)

 続いては、独特のトルネード投法でメジャーに大旋風を巻き起こした野茂英雄。野茂は近鉄時代の開幕戦で、「幻のノーヒットノーラン」を演じている。

「94年の開幕戦、2年連続で開幕投手となった野茂は、西武打線と対峙します。この日は、ストレートと“伝家の宝刀”フォークのキレが抜群で、8回まで無安打完封、12個の三振を奪う好投を見せていました」(前出のベテラン記者)

 すわ、ノーヒットノーランか?  球場にいた誰もが固唾を飲む中、迎えた9回裏。西武は4番・清原和博からの打順だった。

「野茂は清原を尊敬しており、常に真っ向勝負を挑むことが多かったんですが、このときもストレートを投げ込んだんです。しかし、敵もさるもの。清原はライトオーバーの二塁打を放つ意地を見せ、野茂の記録達成は幻となりました」(前同)

 この年のオフ、野茂はメジャーに移籍している。

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