■沖縄出身の選手を育てたい!
では、実力ある若手アスリートを育成するための日本の環境を、森末氏はどう見ているだろうか。
森末 ナショナル・トレーニング・センター(NTC)ができたのは大きいですね。僕らの時代は、練習場がないから、日体大が日大でやるとか、器具メーカーの試験場を借りるとか、ウロウロしていたんです。そう考えると、トップ選手がいつでも練習できる環境ができたのは大きなプラス。メダルの数にも影響を与えると思います。
――改善されてきたと。
森末 とはいえ、まだ日本は選手たちが、自分で勝手に強くなっているという現状は、あまり変わってませんよね。コロナ対策もそうですけど、(政府から)補償もない「お願い」だけで、これほどの結果を出すのは、日本人くらいですよ(笑)。
――そうかもしれません。
森末 だから、NTCみたいな施設が、少なくとも、北海道、名古屋、大阪、福岡、あとは沖縄あたりにもできて、そのトップ選手が東京に集まって、さらに高いレベルで磨きをかけていくような、そんな環境ができたらいいなと思います。
――森末さんは現在、宮古島と東京を行き来する生活を送られてますよね。
森末 11年に宮古島に家を建てて、1年の半分以上を宮古島で過ごしています。やはり、とても暖かくて快適。五輪が夏に開催されることを考えると、なんで気候のいい沖縄に施設を作らないのかなって思います。
――沖縄に施設ができれば、森末さんも、いろいろと協力していただけそうですね。
森末 もちろんです。沖縄だって盛り上がりますよ。今は沖縄出身のオリンピック選手が少ないので、育成していきたいですね。