■自分の症状を見て市販薬を選ぶべし

 50代を過ぎると老眼をはじめ、緑内障や白内障などさまざまな目の老化も進むが、目が妙にゴロゴロする、焦点がぼやけてしまうこんなときに便利なのが市販の目薬だ。

「ドライアイや疲れ目などで市販の目薬を使う方は多いんですが、症状にあったものを選ぶのが大切です」

 こう説明するのは、『みさき眼科クリニック』院長の石岡みさき氏だ。

 たとえば、老眼鏡を使うと目が疲れ、焦点もぼやける。こんなときはピントを調節する毛様体筋が疲れていることが多いという。

「毛様体筋の疲れを取る成分がビタミンBで、これが配合されたのが参天製薬の『ひとみストレッチ』です」(石岡氏=以下同)

 目の疲れの原因が、エアコンなどによる目の乾きということもある。目がシバシバしたり、ゴロゴロしたりするドライアイのことだ。

「目の表面が乾燥すると、細かい傷ができて痛み出したり、まばたきも多くなったりします。こんなときは目を保湿する成分(ヒアルロン酸ナトリウム)が入った目薬が効果的です」商品でいうと『ヒアレインS』(参天製薬)などだ。

 また、花粉症をはじめとするアレルギーで目がかゆいときに効果があるのが、ケトチフェンフマル酸塩の配合された『ザジテンAL』(ザジテン)などだ。

「目の症状は疲れ目やドライアイなどで症状が似ているんですね。自分の目の不調が何によるものか、きちんと見極めて市販の目薬を選ぶことが大切です。何を使っていいか分からないときは薬局のスタッフに自分の症状を話して選んでもらったほうがいいでしょう」

 また、目薬の中にはメンソールなどを入れてスッキリ感を高めているものもある。だが、こうした刺激物を入れた目薬は、目を痛める可能性があるので、あまり使わないほうが無難だ。

「目薬を使いすぎる方も多いんですね。あまり使いすぎると、目を守る涙を洗い流して、逆に症状を悪化させることがあります」

 市販の製品を1週間点眼して効かないときは、眼科を受診するほうがいい。

「眼科医は症状に合わせた点眼薬を処方できますし、市販の目薬より効果がある成分の処方もできます。ものもらいなどは抗菌剤が必要になるんですが、市販薬として認められているのはサルファ剤しかありません。眼科医では他の抗菌薬も使えますから、すぐに治ることもあります」

 目の衰えから姿勢が悪くなり、その結果、血行が悪くなって体全体の不調となりかねない。しっかり目の管理をしましょう!

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