単なる強打者とは一線を画す特別な存在――。伝統の“常勝軍団”を牽引したスターたちの系譜が今ここに!
「和真は4番でやる。あとは“真っ白い画用紙”という感じですよ」
巨人・原辰徳監督(63)がキャンプ前からそう明言していた通り、岡本和真(25)が順調な仕上がりを見せている。
「2年連続で本塁打と打点の二冠王に輝いている岡本ですが、このキャンプでも柵越えを連発。コンディションはかなり良さそうで、今季の活躍も楽しみです」(スポーツ紙巨人担当記者)
第89代目となる“巨人の4番”として臨んだ試合数は、すでに、あの松井秀喜をも抜き、名実ともにチームの中心となった岡本。
「まだ25歳と若いものの、漂う風格は、まさに4番のそれ。原監督が自らの愛称である“若大将”の継承を公言し、早くからレギュラーを“確約”するのも、うなずけますね」(前同)
だが、巨人軍の長い歴史の中には、そんな岡本が追いつき、追い越すべき、偉大なる先人たちがいる。今回は、今季の岡本へのエールに代え、巨人の4番に座った強打者たちの伝説を、関係者の証言とともに振り返ってみたい。
■“打撃の神様”川上哲治の凄さ
その筆頭はやはり、4番として歴代1位の出場試合数を誇る“打撃の神様”川上哲治だろう。
「球が止まって見えた」の名言でも知られる大英傑だが、プロ入り当時は意外にも投手。それも、熊本工でバッテリーを組んでいた捕手・吉原正喜を獲得するため、球団が“お付き枠”で入団させた選手だった。
「川上さんは、プロでは並の軟投派投手でしたが、当時の4番・中島治康さんが打の才能に気づいた。そこで打撃練習をさせたところ、鋭い打球を連発。その打撃を見て、藤本英雄監督が野手転向を決めたんです」(スポーツライター)