■Q.お得な年金保険料の支払い方はあるか?
A.国民年金加入者の場合、“早割”を活用したい。
「早割、つまり年払い(前納)を選択すると、月払いより、かなりお得になります。令和4年度の場合、1年分を前納すると年間で3530円、2年分をまとめて前納すると、1万4540円の割引になります」(生活情報誌記者)
クレジットカードの使用が可能になったので、支払いの際、カードにすると、ポイントも稼げ、割引分と合わせて、ダブルでお得になるのだ。
■Q.社会保険庁から送付される公的年金の保険料納付実績や将来受給できる年金額の見込みなど、年金に関係する個人情報の通知書である「ねんきん定期便」。どう見たらいいのか?
A.50歳未満の人と50歳以上の人では、内容が違う。
「50歳未満の人の場合、記載された年金額は、それまでの支払い実績に応じたものですから、かなり小さな金額になっています。しかし、実際の年金額とは違うので、安心してください。一方、50歳以上の人の数字は見込み額ですので、記載された数字が、ほぼ自分の年金額だと思ってください」(長尾氏)
ただ、その場合も、前述のマクロ経済スライドや年収の増減などで、実際の年金額は変動するという。
■Q.未納者には差し押さえがあるのか?
A.「著名な作家が突然、銀行預金2000万円以上を差し押さえられたというニュースがありました。年間所得300万円以上かつ未納期間7か月以上が、国民年金の差し押さえ基準なので注意しましょう」(全国紙社会部記者)
■Q.2024年度の法改正で何が変わるのか?
A.焦点は財政基盤の弱い国民年金(老齢基礎年金)がどう変わるかだが、厳しい結果になりそうだ。
「今回の年金納付期間の延長の議論で政府が発したメッセージは、“今後は、定年後に悠々自適な生活は許されない、働きなさい”ということ。
極端に言うと、定年後にのんびり暮らすヤツから、“夫婦合わせて200万円(納付期間延長分の保険料)の罰金を取るぞ”ということです」(森永氏)
老後の悠々自適な生活は、もはや日本には存在しないようだ。