■演歌の大御所、吉幾三や和田アキ子も

 お次は、水前寺清子と細川たかし。歌うのは2人とも『浪花節だよ人生は』。

「実は、昭和59年(1984年)の『紅白』でも、この2人による前代未聞の“同曲対決”が実現しています。この曲自体、十数人の歌手が持ち歌にしていましたよね」(前同)

 続いてはカラオケの人気曲が激突。ロス・インディオス&シルヴィアが、デュエットの鉄板曲『別れても好きな人』を歌えば、吉幾三が『雪國』 を熱唱する。

 次は早くも和田アキ子が登場。『笑って許して』で、紅組歌手たちが「アッコ!」と掛け声。対するは“若大将”加山雄三。代名詞『お嫁においで』 を披露する。

「コンサート活動の引退宣言が寂しい。若大将には、いつまでも元気でいてほしい」(76・広島県)

 そして、小柳ルミ子が『瀬戸の花嫁』、さだまさしが『関白宣言』 を歌い上げる。どちらも、昭和時代の“結婚”を題材にした名曲だ。

「今の世の中には合わないのかもしれないけど、『関白宣言』の歌詞は泣ける」(60・長野県)

 名曲ラッシュは終わらない。岩崎宏美が『聖母たちのララバイ』を情熱的に、寺尾聰が『ルビーの指環』をクールに歌う。

■小林幸子は紅白初出場の衣装で

 次の小林幸子は、シンプルな白いロングドレス姿で『おもいで酒』に思いを込める。これは昭和54年(1979年)、『紅白』初出場を果たしたときの衣装だ。

 芸能レポーターにして、“演歌応援団長”を自称する石川敏男氏は振り返る。

「10歳でデビューした小林さんは15年間、ヒットに恵まれず、一人で地方を回っていました。それだけに、ようやくヒットした『おもいで酒』は忘れられない曲でしょうね」

 対する大川栄策は、大ヒット曲『さざんかの宿』を感無量の表情で歌い切る。

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