■自転車は一石二鳥

 日々の行動が節約につながるものは、他にもある。前出の森永氏は、自転車をフル活用してほしいという。

「ガソリンなどの燃料費の高騰や、この春には電車賃も値上がりしているので、交通費の節約になります。さらに、自転車に乗ることで健康寿命が延びれば、医療費も減らせるんです」

 まさに一石二鳥だが、特に恩恵が大きいのは、医療費の削減だ。

「『自転車総合研究所』の調査によれば、40歳以上の人が、1日往復2㌔の自転車移動を年間246日継続した場合、4万7232円もの医療費削減効果があるという試算を出しています。中高年にとって、やらない手はありません」(スポーツインストラクター)

 また、住まいに手をかけることも節約につながる。

「部屋が片づけられず、散らかった状態の人は、すぐに整理整頓をしましょう。前述した冷蔵庫と同じく、似たような商品を2つ、3つと買ってしまうムダ遣いを防げますよ」(長尾氏)

■不要品の整理でお宝ザクザク

 さらに、モノがあふれている部屋には、お宝が眠っている可能性もあるという。

「円安や原材料の高騰で、ハイブランド品の価格が高騰しており、それにともなって、中古のブランド品の需要が高まっています」(丸山氏)

 使わなくなったカバン、キーホルダーなどの小物が高く売れるかもしれない。

「また、昭和レトロブームが起きたことで、昔の家庭用ゲーム機やレコードも需要があります。『メルカリ』などのフリマアプリで、相場を調べてみるのも楽しいですね」(前同)

 意外なところでは、お酒が高く売れるとか。

「未開封の新品が理想ですが、『山崎』『響』『ロマネ・コンティ』といった高級酒の空き瓶も人気です。即日現金で高価買取をうたう業者があるくらいなので、左党は要チェックです」(同)

 最後に、夏本番を迎える前に、エアコンや冷蔵庫などの古い家電を買い替えておきたい。

「10年以上前の家電と、最新の省エネ家電では、節電効果が違うものも。環境省の運営サイト『しんきゅうさん』で、新しい家電に買い換えた場合のお得額が診断できるので、それを参考にしてください」(同)

 昭和世代にとっては、壊れるまで使い続けたほうが節約できそうな気もするが、「夏のハイシーズンに故障すると、修理や設置に時間がかかるので、かえって高くつくことも。買い替えるなら今のうちです」(同)

 プロ直伝の節約術を駆使して、値上げ時代を生き抜いてほしい!

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