職場結婚が減っていき
「昭和から平成に移る頃に、職場結婚が減ってくるんです。つまり、昭和の時代には上司が職場の若い男女を飲みに誘い、仲良くさせる文化が残っていたということでしょう」(服部氏)
今なら「おまえ、まだ結婚しないのか? いい男、紹介してやろうか」と言ったら即、セクハラ及びパワハラ認定だが、当時は、それが許された時代。
国内企業の9割近くが社員旅行
また、「観光庁の資料によると、バブル期には国内企業の9割近くが社員旅行を実施していましたが、近年は半分以下にまで落ち込んでいます」(前出のライター)
読者アンケートでも、「社内行事、懇親会がなくなり、女性との交流機会がほとんどなくなった」(58・会社員)
「あの頃は家庭的な職場が多くて明るかったし、牧歌的だった」(70・無職)
との声があったように、男女の社員同士が出会う機会は、令和の時代より確実に多かったのだ。
「居酒屋で、“だから、おまえはダメなんだ!”と後輩を説教して絆を深めた」(66・公務員)
「キャバレーやカラオケスナックで、朝まで後輩を連れ回して楽しんだ」( 59 ・教員)
プロ野球のナイターやプロレス中継も
ときには午前様になるほど“飲みニケーション”も活発だったが、まっすぐ家に帰れば、別の楽しみが。
「地上波では毎日、プロ野球のナイター中継が楽しめたし、プロレス中継も88年(昭和63年)までゴールデンタイムに放送されていました」(服部氏)
当時はテレビも一家に一台の時代から一人一台の時代へ。オヤジたちは晩酌しながらプロ野球選手に、若者たちはアイドルに声援を送っていた。