コンプラなきに等しい芸能人水泳大会

 コンプラなど、なきに等しかったが、その代表格の一つが、70年代に始まり、80年代には民放各局が、こぞって放送した「芸能人水泳大会」だ。

「当時はアイドルブームの全盛期。“花の82年組”など、大人気の女性たちの水着姿を見られるとあって、夏の夕食時の風物詩にもなりました。中でも話題になったのが、水上騎馬戦でのお約束、“ポロリ”でしょう!」(同)

 そう、騎馬にまたがるビキニ姿の女性アイドルが揉み合いの末に水着が外れる“ハプニング”が、ゴールデンタイムに日本中のテレビで流れたのだ。

「やがてアイドルや事務所側が“ポロリ”を嫌がって出演辞退するケースが出て、水着がビキニからワンピースに変わっていきました。

 それでもビキニ姿の女性が必ず登場し、お茶の間の男性陣の視線が彼女たちに集中しました」(芸能事務所関係者)

深夜番組で夜更かし

 あの頃のテレビは面白かったという声は、読者アンケートでも特に目についた。

「青春時代そのものだった」(60・契約社員)

「深夜に、こっそり楽しめる番組があり、親の目を盗み見るのに興奮した」(53・フリーター)

「『トゥナイト』『ギルガメッシュないと』『オールナイトフジ』『11PM』……すべて復活希望!」(50・団体職員)

「深夜番組が面白かった。今では考えられない映像がいっぱいで、夜更かしをしまくっていた」(55・会社員)

お笑い時代劇バラエティ『志村けんのバカ殿様』

 お色気番組だけではない。前出の小田桐氏は、こう続ける。

「仕事柄、ユーチューブで当時の番組をチェックすることがありますが、『志村けんバカ殿様』(フジテレビ系)シリーズなどの一部に、よく、こんな番組が作れたなというシーンが出てきます」『志村けんのバカ殿様』は、まさに『不適切~』の時代の舞台となった86年(昭和61年)に、事実上レギュラー化し、ゴールデンやプライムタイムに放送されていた、お笑い時代劇バラエティ番組。

「たとえば、バカ殿様が蔵の中で時間を止める懐中時計なるものを発見し、動けなくなった腰元の手を取って……」(小田桐氏)

 おっとっと、『これ以上は当編集部のコンプライアンス規定にのっとり、表現できません』とテロップを入れたくなるほど!?

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