奥が深い塩味
次は、塩部門。前述の通り、日本のラーメンで最も歴史が古いジャンルで、それだけに奥が深いという。
「塩ラーメンのスープは、あっさりとしてシンプルですが、その分、だしを取る食材や、味の組み合わせで個性が出ます」(同)
第3位の『黄昏タンデム』(香川県丸亀市)は、「看板商品の“潮騒の鶏塩そば”が、貝柱や昆布などのだしに鶏のうま味を加えていて、手が込んでいます。
余談ですが、店名のタンデムはバイク乗りの店主に由来していて、ラーメン通だけでなく、多くのバイク乗りからも愛されているんだとか」(山本氏)
第2位は『らーめん チョンマゲ 高知本店』(高知県高知市)。高知の他、大阪にも店舗がある人気店だ。
「厳選した土佐のカツオ節と日高昆布のだしに、6種の塩をブレンドした特製のかえしを合わせたスープは、あっさりだけど深みがあって、クセになるおいしさ。
また、ラーメンの他に、名物の“玉子焼きめし”が人気で、素朴な味わいが、スープと相性抜群でした」(はんつ氏)
そして、第1位は『ぜんや』(埼玉県新座市)。
「99年の創業以来、ずっと行列が絶えないという伝説的な店。昼のみの営業で、スープがなくなり次第終了と、ややハードルは高いですが、行くだけの価値はあります」(山本氏)
多くの客をトリコにしているのが、店主こだわりの黄金色の塩スープだ。
「何種類もの食材を夜通し煮込んで作っているそうで、その味はまさに芸術。塩スープのクリアなおいしさの奥に、力強いうま味が感じられます。プリッとした食感の中太麺も食べ心地がよく、食後の満足感はひとしおでした」(同)