長嶋茂雄カリスマ性は健在

 その王自身が“憧れの存在”と公言するのが、盟友としてともに一時代を築いた“ミスター”長嶋茂雄

 きたる5月3日の阪神戦では、「長嶋茂雄DAY」と銘打ったメモリアルな一戦が組まれるなど、引退から半世紀を経た今も、そのカリスマ性は健在だ。

「昨秋のファンフェスタに車椅子姿でサプライズ登場した際も、ミスターが自らマイクを握っての“勝つ!”の三唱で東京ドームが一つになった。もし今回も、ご本人登場が叶うなら、チームにも弾みが付きそうです」(夕刊紙記者)

 前出の田尾氏には学生時代に、そのミスターと“初対面”した思い出も。

 75年6月。当時、同志社大に在学中の田尾氏は、懇意にしていたカメラマンの紹介で、2学年下の江川卓(法大)とともに、自宅を訪問する機会に恵まれた。

「巨人が最下位になったのはあの年だけ。長嶋さん自身、監督1年目で大変な思いをされていたはずなのに、気さくに接してくれてね。

 日米大学野球出場のために、その足でアメリカに発つと話したら、帰り際に“お土産でも買いな”と500ドルを持たせてくれた。まだ1ドルが300円ぐらいの時代ですから、学生には大金。それをドル紙幣でというのも、スマートで格好よかったですね」

“ID野球”野村克也

 そんな国民的人気を誇る華やかなミスターに強烈な対抗心を燃やしたのが、“実力のパ”を象徴した“ノムさん”こと野村克也だ。

 ストライクゾーンを9分割した“野村スコープ”や、今では投手必須のクイック投法といったノムさん由来の“発明”は数知れず。

 経験とデータの蓄積に裏打ちされた代名詞たる“ID野球”は、現代野球のあり方そのものをガラッと変えたと言ってもいい。

「自らを“月見草”と卑下していましたが、通算安打は張本勲さん、本塁打・打点は王さんに次いで、いずれも歴代2位。監督としても、同5位の1565勝を挙げるなど“名選手、名監督にあらず”の定説を覆した不世出のスターであるのは間違いない。テスト入団から三冠王にまで昇りつめる選手など、今後も、そうは現れないでしょう」(前出のジャーナリスト)

 ストライクゾーンを9分割した“野村スコープ”や、今では投手必須のクイック投法といったノムさん由来の“発明”は数知れず。

 経験とデータの蓄積に裏打ちされた代名詞たる“ID野球”は、現代野球のあり方そのものをガラッと変えたと言ってもいい。

「自らを“月見草”と卑下していましたが、通算安打は張本勲さん、本塁打・打点は王さんに次いで、いずれも歴代2位。監督としても、同5位の1565勝を挙げるなど“名選手、名監督にあらず”の定説を覆した不世出のスターであるのは間違いない。テスト入団から三冠王にまで昇りつめる選手など、今後も、そうは現れないでしょう」(前出のジャーナリスト)

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