初代将軍・徳川家康が入城して以来、幕末までの200年以上に渡り、歴代将軍が居城としてきた江戸城。現在の皇居の部分は当時の江戸城内郭の一部にすぎず、当時は内郭だけでも約30万坪以上の広大な敷地を誇った。将軍家をはじめ、大奥と中奥の役人たち数千人が暮らしていたとされる広大な江戸城もまた、怪奇とは無縁ではなかった。

江戸城七不思議 その一
丑三つ時に蹄の音が鳴り響くと……

江戸城の西に広がる吹上御苑の馬場で、丑三つ時(深夜2時頃)に馬の蹄の音が鳴り響くことがあった。また、その翌日になると不思議と落馬の事故が起こった。人びとは「妖怪の仕業」と噂したという。

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