江戸城七不思議2 その二
御濠に棲む「どんどん河童」

子どもに手習いを教えている神田の浪人が夏の夜に江戸城の濠端を歩いていたときのこと。ずぶ濡れの子どもが濠へ向かって歩いてきた。浪人が傘に入らぬかと声をかけた途端、子どもは恐ろしい形相を見せ、濠へひきずり込もうとした。浪人は刀で斬りつけ、難を逃れたという。河童の仕業とされ、当時溜池の堰から流れ落ちる滝を「どんどん」と呼んだことから、「どんどん河童」と呼んで恐がった。

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