2013年9月7日、ブエノスアイレスの地で2020年五輪開催地が東京に決定。その瞬間から、来年開催されるリオ五輪が特別な五輪になった。5年後の東京への弾みをつけるためにも、リオ五輪では前回・ロンドン五輪の7個を超える金メダル獲得が必須の条件となったのだ!

あと600日たらずでリオデジャネイロ五輪が開幕する。サッカーW杯に続いて南米で行われる世界的ビッグイベント。日本にとっては、東京五輪の前哨戦である。

舞台となるブラジルは1万8000㎞離れた遠い国だが、この国には独特のゆったりした時間が流れているようだ。計画を立てても、そのとおりに進むことは、めったにない。
サッカーW杯の際は、開会式の日になっても未完成の工事がいくつもあった。今回の五輪準備でも、会場建設やインフラ整備に大幅な遅れが出ており、関係者をヤキモキさせている。

しかし、日本側の準備に遅れはない。選手たちは来年8月にピタリと照準を合わせ、着実に力をつけている。
日本オリンピック委員会(JOC)も自信満々に、「リオ五輪では14個の金メダル獲得を目指す」と宣言した。前回・ロンドン五輪の倍の数だ。この数字、決して希望的観測などではない。いまの日本には、世界のトップに立てるだけの実力を持った選手が揃っているのだ。

さらに、5年後の金メダルに燃えているのが、成長著しい10代のアスリートたち。東京五輪での金メダル量産計画は、すでに着々と進行中なのである。

リオ五輪・金メダル14個を大予測!!

まずは、来年8月に開催されるリオ五輪。本誌も金メダルの数は、JOCが目標に掲げる14個と予測。来年の夏、日本はゴールドラッシュに沸くことだろう。その内訳や、いかに!?

女子レスリング 金×4

五輪競技から除外の危機に瀕したレスリング界は、存続を強く訴え、様々な改革を断行した。その一つが階級の変更。女子の階級を4から6に増やし、男子の階級を7から6に減らした。男女平等を目指すIOCの意向に沿った措置だろう。
これを大歓迎し、「ロンドンの3階級を超える4階級制覇が狙える」と考えているのが、日本の女子レスリング界である。
「国際大会でメダルを獲るより代表になるほうが難しいと言われるほど、層が厚い日本女子。階級増で選手のモチベーションも上がり、みんなヤル気になっています」(レスリング関係者)

金メダル候補の筆頭は、日本の誇る2人の"絶対女王"。53㎏級の吉田沙保里(32)と、58㎏級の伊調馨(30)だ。
吉田は五輪、世界選手権を合わせた世界大会で15回連続優勝。個人戦は192連勝の記録を更新中。伊調もアテネ、北京、ロンドンと五輪を3連覇中で、ケガで試合を欠場した1度の不戦敗を除くと、ほぼ12年間、無敗を続けている。
「まさに敵なし。世界を見渡しても、2人を倒せる選手は見当たりません。ケガなどのアクシデントがない限り、五輪4連覇は間違いないでしょう」(前同)

その2人に追いつき追い越せとばかり、若い力も台頭している。48㎏級の世界チャンピオン・登坂(とうさか)絵莉(21)だ。
「昨年の12月の日本選手権に出た登坂は満身創痍。5月に左足親指の付け根を痛め、だましだまし試合を続けたことで右足の甲とスネ、左ひじ、腰にも痛みが出て、満足な練習もできなかった。それでも優勝するんですから、実力と根性は、このクラスでは世界最強です」(同)

また69㎏級の土性(どしょう)沙羅(20)には、日本レスリングの歴史を変える期待がかかる。
軽・中量級では強い日本女子も、重量級では苦戦続き。だが彼女なら、外国勢の厚い壁をブチ破れるかもしれないのだ。
土性は昨年3月のW杯国別対抗戦でロンドンの72㎏級金メダリストを破り、世界レベルの実力を証明した。五輪ではさらに進化した姿が見られそうだ。

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