せっかく、がん検診を受けるなら、ついでに、胃がんのリスクを上げるピロリ菌、それに肝臓がんの原因になる肝炎ウイルス検査もやりたい。「ピロリ菌に関しては、胃の内視鏡検査の際、一緒に有無を見てくれます」(同)

 ピロリ菌だけ検査する場合は、風船に息を吐く、血液検査、検便など、いろいろ検査方法がある。感染していても、1週間薬を飲んで除菌すれば、まず再感染することはないそうだ。「肝臓がんの原因の8割は肝炎ウイルス。検査は採血するだけで非常に簡単。もし肝炎があっても、ちゃんと治療すれば、ほぼ完治します」

 以上の検査のうち、前立腺のPSA、ピロリ菌、肝炎ウイルスは数千円。CT検査、内視鏡検査は1万~1万5000円以上と、合計すれば、それなりの額の出費になる。また、まとめてやってもらっても半日は完全に潰れることは、前もって知っておくべきだろう。

 その影響か、がん保険に入っている日本人は多いのに、がん検診率はわずか3割ほど。7~8割の人が受診する欧米に比べ、極端に低いそうだ。

「がん検診で、すべての種類のがんが完璧に見つかるわけではありません。また、1センチ以上にならなければ、がんは見つかりません。しかし、何より大切な自分の体なんですから、1年に半日ぐらい、自分の体に向き合う時間を作ってください」(水上氏)

 自分の体を守れるのは、自分自身なのだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9