アジアの例

チャナイ・チョーマライウォング(タイ)

 5年前に射殺された教師の生まれ変わり。3歳で名前や職業、殺されたときの状況といった前世の記憶を話しはじめた。前世で住んでいた村に行ったチャナイは、そこまで連れていってくれたおばあちゃんを自分で案内して、かつての両親が暮らす家にたどり着いた。また、生まれながらにしてチャナイの頭にあった2つの傷は、教師が撃たれたときに負った射入創と射出創に酷似していた。

ドゥミンダ(スリランカ)

 高僧の生まれ変わり。3歳ぐらいのときに自分は僧侶だったと主張しはじめ、宗教的制約や儀礼的行動について話すようになった。自分は寺の高僧だったこと、死ぬときに胸に痛みがあったこと、赤い車やラジオを所有していたこと、ゾウが好きだったことなども明かした。ドゥミンダが語った寺で調査してみると、記憶と一致する高僧が存在していた。

生まれ変わりの村(中国)

 村人が繰り返し転生しているという村が中国に存在する。この不思議な村を発見し84名を調査したという研究家の森田健氏によると、生まれ変わった人々は、歩いていけるような近くの場所に集中して誕生しているのだという。著作には村人が語った前世はもちろんのこと、死後や転生時の出来事まで赤裸々に記されている。

日本でも「生まれ変わり」があった!?

 海外の例ばかりが目立つが、日本にも有名な生まれ変わりの物語がある。

勝五郎

 6歳で病死した男児の生まれ変わり。江戸時代に生まれた勝五郎は、8歳のときに自分や両親の名前、暮らしていた村の場所など前世の記憶を語りだした。勝五郎は自分の葬式や死後の世界で起こったことなどの他、現世に生まれ変わるまでの出来事も詳しく覚えており、約5キロ離れた前世で住んでいた家を訪れて家族と再会している。学者の平田篤胤がまとめた『勝五郎再生記聞』は、江戸や京都で評判となり、明治に入ってから作家で学者のラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が書いた『勝五郎の転生』が英米で発表され、世界に知られることになった。

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