■新しいジムのスタイル・ビギナーフィットネス 

2001年にはキング・オブ・パンクラシストのベルトを腰に巻く
2001年にはキング・オブ・パンクラシストのベルトを腰に巻く

 昨年9月にオープンした練馬ジムは、そんな利用者のニーズの変化に合わせ、女性や初心者に特化した、ビギナーフィットネスというコンセプトのジムだ。

「練馬ジムがこれまでと違うのは、多くのジムは『初心者向け』ではなく『初心者歓迎』なんですよ。つまり、初心者の方も歓迎しますけど、実際はハードなこともやってますよっていうジムですよね

 でも、GRABAKAの練馬ジムは、完全に初心者、素人のためのジム。経験者はお断りとまでは言いませんけど、ハードなことはさせません。そうしたら、ありがたいことにオープン以来、多くの人に入会していただいたんですよね」

 昨今、都内の格闘技ジムは飽和状態と言われることも多い中、練馬ジムの会員数はオープンから半年経たずに100人を超えたという。しかし、「さあ、これから!」という時に、今回の新型コロナウイルスの全国的な蔓延という事態が起きてしまった。

「新生活が始まる春先って、本来ジムの会員さんが一番増える時期なんですよ。夏に向けてダイエットしたい、という人もたくさん入ってくる時期ですしね。僕としても『3月、4月だけで50人以上増えるだろうな。そして、夏までに200人までいったらいいな』なんて皮算用をしてたんです。ところが、その一番人が増える時期にコロナがきちゃったんですよね。

 こんな時期にも関わらず、3月、4月に入会してくださる方もいてありがたいんですけど、もちろん退会者も出ています。務めている会社から『ジムには行かないように』と言われた人もいますし、あとはコロナ騒動によってお金がなくなってしまった人もいる。契約社員とかアルバイト、あとはフリーランスの人たちで、仕事がない、お金が入らないという人は、ジムの会費を払うどころじゃなくなってしまうんですよね。これはどうしようもないことですから。

 練馬ジムは去年オープンですから、やはり初期費用もかなりかかっていて、これから回収しなきゃいけないわけですよ。本来なら、この春一気に会員が増えて、安心したいところですけど、それがないわけですから。国や東京都も自粛要請とかしますけど、ちゃんと補償もしてくださいよ、と思うのが本音ですよ。

 でも、まだ今年でよかったという考え方もあるんですよ。ジムっていうのはある程度人数が入らないと、ずっと赤字なわけだから。会員数が100人を超えてからで、まだよかった。これが50人にも満たない時に入会者がストップして、減っていったりしたら、もうやっていけなかったんじゃないかとも思いますからね」

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