■1年間は無収益も覚悟している 

自主興行「LIVE!」も開催。3では見事な一本勝ちを収めた
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 現在、新型コロナウイルスの感染拡大は、収束の糸口がまだ掴めていない状態。ジムにとっても苦しい時期が続くことが予想されるが、菊田はすでに長期戦を覚悟しているという。

「今、世界中で危機的状況にあることを考えると、戦争に近いくらいの非常事態だと思うんですよね。だからウチに関しては、向こう1年間は収支を考えてないです。それぐらいの意気込み。『いつ終わるんですかね~』なんて、呑気なことを考えてないです。なんとか1年ガマンして、その後、利益を出せばいいかなと」

 菊田がこう言えるのは、GARABAKAジムは18年の歴史の中で、多くの試練を乗り越えてきた経験があるからでもあった。

「今回のコロナも大変ですけど、ジム経営ってじつは、人気のインストラクターが一人独立したときのほうが遥かに大変なんですよ。美容師さんの独立と同じで、そのインストラクターにお客さんが付いているので、みんなその人に付いていって辞めちゃうんですよね。それを何度も何度も食らっている僕としては、まあ、なんとかなるかなと(笑)。

 こういう非常事態は、焦っちゃうのが一番ダメなんですよ。僕も何度かそれで失敗していますから。こういう時は信じるしかない。収入がゼロになるわけじゃないので、長期戦覚悟で、今できることをしっかりとやっていきたいですね。そしてこのコロナを乗り越えれば、その反動で、また多くの人たちに来てもらえると思ってますから。ここを耐えたジムだけが、生き残れるんじゃないかな」

(取材・文=堀江ガンツ)

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菊田早苗/きくた さなえ
1971年、東京都生まれ。GRABAKAジム代表。総合格闘家。高校時代は柔道で実績を残す。大学中退後、リングス、修斗、PRIDEなどを経て、パンクラスに参戦。GRABAKAの総帥として旋風を巻き起こす。2001年4月にはアブダビコンバットに参戦、−88kg級で優勝を飾り「寝業世界一」の称号を得た。
http://www.grabaka.com/
堀江ガンツ/ほりえ がんつ
1973年、栃木県生まれ。『紙のプロレスRADICAL』編集部を経て、2010年よりフリーライターに。『KAMINOGE』を中心に、『Number』『BUBKA』ほか、各種プロレス・格闘技のムックや単行本など、数多くの媒体で執筆。近著に玉袋筋太郎、椎名基樹との共著『玉袋筋太郎のプロレスラーと飲むろうぜ』(白夜書房)がある。WOWOW『究極格闘技-UFC-』など、テレビ解説も務める。
Twitterアカウント:@horie_gantz

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