■采配で苦労しそうな新庄BB

 そのソフトバンクと競り合いになりそうなのが、連覇が期待されるオリックス。表キーマンのMVP山本由伸、“ラオウ”杉本裕太郎ら、目下、投打に最も充実している。04年にオリックス監督を務めた伊原氏も「俺の頃とは比べものにならない」と羨みつつ、言う。

「紅林弘太郎がもっと率を残せるようになって、太田椋あたりがレギュラーに定着すれば、下位打線にも厚みが増す。投手陣は、先発に比べて後ろが心許ないがベテランの平野に代わって、ドラ1の椋木蓮が抑えでハマれば、他球団には、かなり手強い存在にはなってくるんじゃないかな」

 とはいえ、ことパ・リーグについては「どこが来てもおかしくない」というのが、江本、伊原両氏はじめ、有識者の一致した見解。

「西武の最下位は所沢移転初年度の1979年以来。ただ、隅田知一郎らを獲得した昨年のドラフトで、投手力の増強には成功した。打線は主砲の山川穂高、森友哉に加え、一昨年のドラ1“よくばり君”こと渡部健人も、ファームで二冠に輝き、今季のダークホース。戦力的にはロッテ、楽天もかなり充実しており、現状では日本ハムの“1弱”です」(前出のデスク)

 確かに、日本ハムは“ビッグボス”の露出が目立つ一方で、西川遥輝らベテランを放出するなど、戦力面でのマイナスは否めない。

「層の薄さは、清宮幸太郎吉田輝星らの若手にはチャンスでもある。ただ、それをモノにできるかは未知数。新庄は野球に関してはきっちりしている男だし、采配はかなり苦労するはず。まぁ、今年に関しては観客増で、まずは御の字。そこは球団も割り切っているんじゃないですか」(伊原氏)

 今シーズンの最後に笑うのは、はたして――。

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