■中5日は有効なのか?

「中5日であれば、先発ローテのうち、開幕投手筆頭候補である菅野の他は、山口俊( 34 )と戸郷翔征(21)、高橋優貴(24)の3人は当確でしょう。残り1枚は、メジャー28勝右腕の新外国人・アンドリース( 32 )が有力ですが、昨季7勝を挙げたメルセデス(27)との争いになると予想されます」(前出の巨人担当記者)

 だが、中5日ローテにした昨季終盤、チームは失速している。その点について、前出の角氏は、こう話す。

「日本のプロ野球は、火曜から始まる3連戦×2カードが基本。カードの頭である火曜に投げると、中5日では次が月曜になるわけですから、どうしたって無理が生じる。ましてシーズンを通して、これを維持しようなんて至難の業。やるなら中4日、もしくは従来の中6日が現実的だと、私は思いますけどね」

 中5日では必ず、どこかでズレが生じ、いわゆる“谷間”ができる。MLBで主流の中4日も、ケガのリスクを考えると全員に適用するのは難しいという。

「桑田本人もかねてから言っていることですが、毎日、同じことをすると体内時計が正確になって、肉体的な疲労軽減にもつながる。そういう意味で、中6日は理にかなっているんです。それに、日本の打者は選球眼が優れていますから、必然的に球数もメジャーよりは多くなる。中4〜5日にしたけど、先発がイニングを稼げない……では本末転倒ですからね」(前同)

 一方、中5日について肯定的な見方をするのは、原巨人でヘッドコーチを務めた伊原春樹氏だ。

「事前に通達があれば、調整もそこまで苦にはなりません。通常の中6日でも、雨天中止や日程の関係、対戦相手との相性などでイレギュラーはいくらでもある。最初から“今年は、これで行くよ”というのであれば、それはそれでありですよ。巨人のように選手層の厚いチームは、谷間が頻繁にできるぐらいのほうが、若手のチャンスも広がるんじゃないですかね」

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